町田市 谷口動物病院 犬猫専門の病院です
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野生と歯周病
2018年01月30日 (火) | 編集 |
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このブログでもよくとりあげていますが、ペットのワンちゃん・猫ちゃんの多くで問題となる歯周病。


2~3歳以上のワンちゃん・猫ちゃんの実に80%がすでに歯周病に罹患していると言われています。


重度の歯周病では、炎症によって歯周組織が壊死・破壊され、歯根周辺の骨が溶けてしまうこともあります。



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口腔鼻腔ろう。重度の歯周病によって、犬歯歯根部周辺の組織が壊死。鼻の穴まで貫通した状態。




歯周病の原因は、歯肉周辺に蓄積した歯垢内に増殖する細菌です。


人間もそうですが、食後に歯を磨いて食べかすを除去しなければ、口腔内には歯垢がどんどんと蓄積し、歯周病が進行していってしまうのです。


野生の肉食動物では、獲物を噛み殺し、毛皮を噛み裂き、スジや骨をしゃぶりつくして食事をします。


そのため、歯の表面が適度に擦られるため、歯垢の蓄積は最小限となり、歯周病に罹患することは少ないとされています。


ペットのワンちゃん・猫ちゃんでは、缶詰やドライフードが主な食事となりますが、いずれも粉状の食べかすや、ベタベタとした糊状の食べかすが発生しやすく、そのため歯周病が非常に多くなっているのです。



ところで、昨年秋に病院をお休みさせていただいたときに、家族で道志の山奥にキャンプにいったのですが、キャンプ場の近くの木工所につながれていたワンちゃん(大型の雑種犬)の傍には、「鹿の死体」が無造作に転がっており、ワンちゃんが一生懸命かじっていました。


猟師さんがとってきたおこぼれにあずかっているのでしょうか?


一見すると何とも残酷な感じも致しますが、ワンちゃんの本来の性質から考えれば、最高の食事ですね。
(注:寄生虫感染などの問題がありますので、ペットのワンちゃん・猫ちゃんに推奨するものではありません。)


きっと、あのワンちゃんは歯周病で悩まされることもないのでしょう。

町田市 谷口動物病院


慢性鼻炎と歯周病
2017年11月28日 (火) | 編集 |
重度の慢性鼻炎を患っていた猫ちゃんです。



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〇で囲ったところに、ドロッとした膿状の鼻水が出ていますね。



この慢性鼻炎の原因は歯周病にあります。


御覧の通り、犬歯の根元に歯周病があります。


この犬歯の歯根部分に発生した重度の炎症が鼻腔内に波及した結果、慢性鼻炎が生じているのです。


そのため、いくら鼻炎治療のお薬を飲んでも、この鼻炎が治ることはありません。


歯科治療を行い、この犬歯を抜歯しなければなりません。



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犬歯周囲の歯肉を切開し、抜歯処置と、壊死した歯根周辺のクリーニングを行います。



犬歯の歯根周辺がグジュグジュと壊死している様子がお分かりいただけるでしょうか?



処置後は、歯肉をきれいに縫合いたします。



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こちらが抜歯した犬歯。



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歯周病のため、歯根が半分以上壊死して消失してしまっています。



こちらの症例。
抜歯処置後は鼻水も治まって、だいぶ調子がよくなってきました。

町田市 谷口動物病院


歯周プローブでの検査
2017年09月22日 (金) | 編集 |
先日歯科処置を行った症例です。


見るからにヒドイ状態ですが・・・



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歯石を除去してみると・・・お? 綺麗に掃除すれば大丈夫そうかな・・・?


一見すると洗浄だけで大丈夫そうに見えますが・・・


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歯周プローブ(歯周ポケットの深さを計測する器具)でちゃんと調べなければいけません。



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プローブがグサッと奥まで入ってしまいます。


つまり、歯の根っこはもうだめになっているということ。



このような歯を、見た目だけ綺麗に磨いても治療したことにはなりません。



残念ですが、抜歯処置となります。



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歯科処置で大切なのは、歯石を取り除いて見た目をきれいにするだけではなく、しっかりと歯周病の進行度合いを評価して、適切な治療を施すことが一番大切です。



歯周病治療 Sちゃんのケース
2017年08月07日 (月) | 編集 |
歯周病治療をおこなったダックスのSちゃんです。


別の病院さんで昨年の11月に歯石クリーニングをおこなったばかりということですが、複数の歯がグラつき、すでに歯石の付着も重度。


歯槽膿漏も進行してしまっています。


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特に、前歯に比べて奥歯の歯石付着と歯槽膿漏の進行が重度です。


もともと、奥歯は唾液腺の位置関係から歯石が付着しやすい部分ですが・・・


それにしても、昨年11月に歯科処置してから1年も経過しないうちにずいぶんとひどい状態になっています。



さらに…一見するとそれほど汚れていないように見えた犬歯の部分ですが・・・



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洗浄処置をすると鼻から大量の鼻血が・・・


口腔鼻腔瘻(こうくうびくうろう)です。


昨年11月に歯石を除去しているので、一見するときれいな歯に見えますが、実際には歯周病が進行しており、犬歯歯根周囲の組織が壊死を起こしてしまっているのです。(1枚目の写真をよく見ると、犬歯の根元の歯肉が赤くはれて炎症を起こしているのが分かります。)


犬歯歯根のすぐそばには鼻腔があります。犬歯歯根周囲の歯周病が進行すると、鼻腔と犬歯歯根の間にある骨組織が壊死を起こし、穴が開いてしまうのです。


それが口腔鼻腔瘻。


鼻の孔と口の中がつながった状態になっているのです。そのため、犬歯周辺を洗浄した際の洗浄水と血液が鼻腔に混入して、鼻血のように流れて出てきているのです。


この犬歯も抜かなければなりません。



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犬歯を抜いた後には大きな穴がぽっかりと。


犬歯の歯根はとても太く、頑丈なため、抜歯には歯肉の切開や歯槽骨の切削など外科的な処置が必要になります。


抜いた後に血がたまっていますが、この奥は鼻の穴まで貫通してしまっています。


この大きな穴を塞ぐには、歯肉だけでは塞ぎきれませんので、頬粘膜を移植して塞ぎます。


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この処置をしっかりと行わないと、口腔鼻腔瘻がふさがらずに残ってしまうのです。


歯科処置で大切なのは、歯石を取り除いて「みた目をきれいにする」ことではなく、しっかりと歯周病の進行具合を把握し、歯周病に的を絞った治療を行うことなのです。

これはお勧めです!
2017年07月11日 (火) | 編集 |
先月から取り扱いを始めた歯ブラシのご紹介です。



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「シグワン」という商品名。税込み730円。


普通の歯ブラシと何が違うかというと・・・



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このように、ブラシが360度びっしり生えています。


歯磨きで一番重要なのは、歯そのものを磨くことよりも、「歯周ポケット」(歯と歯茎の隙間)を磨くことです。


「歯周ポケット」に入り込んだ汚れが歯周病を引き起こすのです。


歯磨き中にどうしても動いてしまうワンちゃん・ネコちゃんでは、この「歯周ポケット」をピンポイントで磨くのはなかなか難しいものがあるのですが・・・


「シグワン」の360度びっしり生えたブラシは、「なんとなく歯の根元にブラシをあてがう」だけで、しっかりと「歯周ポケット」を捉えてくれるのです。


さらに、この「シグワン」が優れているもう一つの特徴が・・・


ブラシがとても細くて、歯茎への刺激がソフトであること。



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我が家の愛猫ピノで試したところ、通常の歯ブラシでは、前足でブラシを押し返そうとして嫌がるのですが・・・


「シグワン」では全くその様子はありません。


明らかに嫌がる様子が減りました。


むしろ、歯磨きが気持ちいいのかな? と思うくらいにおとなしくさせてくれます。この差は歴然でした!!

※我が家のピノは、子猫の時から日常的に歯磨きをしているので慣れていますが、初めての歯磨きをする猫ちゃん・ワンちゃんでは、いきなり奥まで歯ブラシを突っ込んだりせず、まずは前歯や唇をブラシでマッサージするなどして、歯ブラシに少しずつ鳴らしてあげて下さいね!


最近はワンちゃん・ねこちゃんのデンタルケア商品も様々なものが開発されて、メーカーさんもいろいろと売り込みに来ますが・・・


この「シグワン」は、間違いなく皆様にお勧めできる商品です!!


ぜひお試しください!