町田市 谷口動物病院 犬猫専門の病院です
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股関節の変形
2014年07月07日 (月) | 編集 |
股関節のレントゲン写真です。


1.このワンちゃんの股関節と・・・
20140707tah02.jpg




2.こちらのワンちゃんの股関節。
20140707tah01.jpg


ずいぶんと関節の形が違うのですが、お解りいただけますでしょうか?



1のワンちゃんの股関節は、奇麗な円形をした関節で、ガッチリと固定されている様子が良くわかると思います。



それに比べて、2のワンちゃんの股関節は、関節全体が平べったく変形して、しっかりと固定されていないように見えます。



「変形性関節症」です。



「変形性関節症」というのは、股関節や肘関節、膝関節と言った関節部分の、骨と軟骨が変形し、痛んでいってしまう病気です。



原因は様々ですが、生まれつきの関節の緩みや、形成不全がもともとにあり、そのせいで日常的に関節にストレスがかかった結果、関節と軟骨が傷んで変形してしまうことが多いようです。



2の写真は4歳の小型犬なのですが、すでに関節の変形が重度です。



このままでは、近い将来関節の痛みで歩けなくなってしまう恐れがあります。



このワンちゃんが、4歳という比較的若い年齢でここまで関節が変形してしまったのには、「肥満」が大きくかかわっています。



本来はベスト体重が2.5kgくらいの、かなり小さめのワンちゃんなのですが・・・



1歳の誕生日の頃には3.2kg。



3歳になった頃には5.2kgと、極度の肥満。
※ベスト体重の2倍。人間に例えると、ベスト体重50kgの女性が100kgと言うことです。


4歳になった現在は、何とか体重4kgまで減量しましたが・・・それでもベスト体重からは程遠い状態。



このように、生後間もない時期からの極度の肥満が、関節に常に負荷をかけ続けた結果・・・



ご覧のように、重度の「変形性関節症」を引き起こしてしまったのです。



もちろん、肥満だけが問題なわけではなく、おそらくもともとの関節にも、ある程度の緩みなどの生まれつきの不具合があったものと思われます。


さすがに、肥満だけが原因ではここまでは酷くなりません。



ですが、重度の肥満が無ければ、ここまで急激に悪化はしなかったはずです。



現在、重度の肥満は「肥満症」として病気の一つと考えられています。



重度の肥満は、今回のワンちゃんのように、関節や骨格に障害を及ぼしたり、心臓や肺などにも悪影響を及ぼします。



また、ホルモン分泌や代謝機能などが関わる病気にも大きな影響を与えるのです。




厳しい言い方になりますが、動物の肥満と言うのは、100%飼い主様の責任です。



どんな理由があったとしても、そのワンちゃんに食事を与え、運動に連れていくのが飼い主様である以上、食事量や運動量を適切に管理する責任が飼い主様にあるのです。



可愛い顔で、「オヤツちょーだい!」と要求されると、ついつい与えたくなってしまう気持ちも解りますが・・・


そこは、やはり飼い主として、家族(父・母)として、健康を第一に考えて、適切に管理をしていただきたいと思うのです。

30cmの悲劇
2014年05月05日 (月) | 編集 |
今までも何度かとりあげてきましたが、小型犬の前足の骨折です。




20140505tah01.jpg



最近の獣医療では、交通事故などによる骨折を診療することはめったにありません。



骨折の症例のほとんどが、小型犬の前足の骨折。



その原因が・・・



ソファから飛び降りた・・・



抱っこしてたら飛び降りちゃった・・・



はしゃいでピョンピョン飛び跳ねてたら折れちゃった・・・



というふうに、ごく日常的な動きの中でポッキリと折れてしまいます。



20140505tah02.jpg



一時期のチワワブーム以来、体重2kgに満たないような極めて小さなチワワ、トイプードル(ティーカッププードル)、ヨークシャーテリアなどがもてはやされる傾向にあります。



その様な超小型犬は、筋力と骨格の強度がアンバランスで、ソファの上などに飛び乗る筋力はあるものの、そこから着地した時の衝撃を受け止める骨格の強度を持ち合わせていないのです。




そんな超小型犬では、たった30cmの段差が写真のような骨折につながることが、多々あるのです。

小型犬の膝蓋骨脱臼
2014年03月25日 (火) | 編集 |
ようやく春らしい天気になってきましたね 



気温の上昇と共に、ノミやマダニの活動も活発化しています 



先日も、初めて病院にいらっしゃった仔犬ちゃんからマダニが検出されました。


2月末から大雪や、冬並みの低気温が続いていたので、どうも実感がわきませんが来週末には桜も咲き始める頃なんですよね 


時がたつのは早いものです。ノミ、マダニの予防、しっかりとやっておきましょうね 



さて、本題に入ります。


今までも、何度かご紹介してきていますが、小型犬の膝関節の問題。


ここのところ、1歳前後の小型犬の「膝蓋骨脱臼」の症例が続いていました。


こちらは、ソファから飛び降りた後に、急に後ろ足を痛がるようになったというワンちゃんのレントゲン写真。



20140325tah01.jpg


「R」と表示されている方が、痛がっているという右足です。


一目見て、左足(L)に比べ、ガニマタ気味になっているのがお解りいただけると思います。


さらに、良く見ていただくと・・・



20140325tah02.jpg


膝蓋骨(膝の皿)が、内側に脱臼している様子が解ります。



「膝蓋骨脱臼」です。


トイプードルや、チワワ、ヨークシャーテリアなどの小型犬に非常に多くみられます。


小型犬では、生まれつき膝蓋骨の関節が不安定で、「緩い」子が多くみられます。



正常な膝蓋骨は、人間と同様、がっちりと膝の真ん中に固定されていて、左右に動くことはないのですが・・・


小型犬は、この固定が生まれつき緩く、指で押すとグラグラと動いてしまうことが多いのです。


このように、膝関節に緩みがあるワンちゃんが、高いところから飛び降りたり、急激なUターンや、急ブレーキを伴うような激しい運動を続けていると・・・



不安定な膝関節に強い衝撃が加わった際に、簡単に脱臼してしまうのです。



しかも、日常的に膝に負担がかかるような動きを繰り返しているワンちゃんでは、脱臼癖がついてしまい、常に膝蓋骨が脱臼した状態になり、後ろ足の骨が変形してしまうこともあるのです。


程度の差はあれど、小型犬の6~7割くらいには、膝関節の脱臼歴が認められるというのが、普段診療していての印象です。



フローリングのような、滑りやすい床で走り回ったり、今回の症例のように、ソファからのジャンプなど、御自宅内でのごく日常的な運動で傷害を受けることがほとんどです。



ワンちゃんが活動する部屋にはカーペットを引いたり、ソファには乗らないように躾けるなど、小型犬の飼い主様には、よくご注意いただきたいと思います。

肘関節形成不全
2013年09月07日 (土) | 編集 |
こちら、成長期の大型犬のレントゲン写真です。




20130906tah01.jpg



まだ生後3カ月のワンちゃんなのですが、1週間で体重が1kgも増えるようなハイペースで成長中。




そんなワンちゃんが、前脚を痛がるということでご来院。



特に、足を挫いたりしたような覚えはないということですが・・・



触診をおこなうと、どうやら左前脚の肘関節に痛みがある様子です。



そこで撮影したのが上のレントゲン写真。




一見、骨が割れているように見える部分がありますが、これは「成長板」と言って、成長期の骨の特徴ですので特に異常ではありません。




さて、レントゲン上では明らかな異常がないようですが・・・何が原因で足を痛がるのでしょう?




大型犬・成長期・肘関節の痛み



この3つがそろったときに、一番に疑われるのが・・・「肘関節形成不全」であります。
※もちろん、単純な怪我や捻挫について十分に調べた上で、です。





「肘関節形成不全」は大型犬の前足の痛みの原因としては、最も多い疾患です。




肘関節は、上腕骨・橈骨(とうこつ)・尺骨(しゃっこつ)の三本の骨が形成する関節です。




「肘関節形成不全」は、これらの骨の成長異常、骨の癒合不全などが原因になります。




正常に形成されなかった肘関節では、時間の経過とともに、関節炎や関節軟骨の変形・摩耗が進行していきます。




ゴールデンレトリバーや、ロットワイラー、バーニーズマウンテンドッグといった大型犬に発生しやすく、特に急激に体重が増える症例で発生しやすいとも言われています。




典型的な「肘関節形成不全」では、生後4~6カ月の成長期に痛みや跛行(はこう:足を引きずること)の症状が出始めます。




その後、一時的に改善したり、悪化したりを繰り返しながら、関節炎が徐々に進行し、年齢とともに痛みや跛行の症状が悪化していきます。




治療は、外科治療と内科治療があります。



成長期の早いうち診断が下った場合には、骨の矯正手術をおこなうことで、関節の状態を正常化し、根本的な解決を図ることができます。



ただ、ある程度年齢を重ね、関節炎が進行した症例では手術での根本的な解決は望めません。



痛み止めやサプリメント、リハビリなどで痛みのコントロール、症状の緩和を図ります。



この疾患では、なるべく早期に診断し、治療を始めることが重要です。




初期症状では、「時々足を痛がるけど、数日で治ってしまう」ということで、その重要性が見逃されがちです。



診断・治療が遅れると、関節の痛みで満足に歩くことができなくなり、特に老齢期の生活の質が著しく阻害される疾患です。




一度、関節炎が進行し、関節軟骨が変形・摩耗してしまうと、元通りには戻せないのです。



大型犬に発生しやすい疾患なだけに、高齢期の歩行困難は大きな問題ですので、成長期の足の痛みには特に注意をして、飼育・観察をしなければなりません。



今回診察したワンちゃんも、まずは痛み止めで症状を緩和しながら、慎重に経過観察し、外科治療の必要性を見極めていかなければなりません。

ナイスアイディア!
2013年06月04日 (火) | 編集 |
ある急患のワンちゃんを診察した時のお話です・・・




早朝のお散歩中に、うっかりリードを放してしまって、どこかに逸走してしまったワンちゃん。




数分後、飼い主様が見つけたときには、全身に傷を負い、前脚は骨折という変わり果てた姿に。




傷の様子から、交通事故というよりは、どこかのワンちゃんの縄張りに入り込んでしまい、攻撃されてしまったようです。



咬み傷自体は、一部縫合が必要だったものの、それほど重症ではなかったのですが・・・




おそらくビックリして逃げるときに、どこかからか落ちたかしたのでしょう。腕を骨折していました。




その腕に、飼い主様が施した応急処置がこちら・・・





20130604tah01.jpg
包帯は病院で巻きなおしたもの




アルミホイルかなにかの紙の芯に切れ目をいれて、それを添え木にして包帯を巻いていらっしゃいました。




これはナイスアイディア!



下手に割りばしなどで添え木するよりも、簡単に固定できますし、全体から包み込むように骨折部を支えてくれますので、安定感抜群。



大型犬にはちょっと無理ですが、体重5kgくらいまでの小型犬には、非常に有効な手段です。




朝の出勤前にのお忙しい時間だったでしょうに、冷静で的確な判断をされた飼い主様に脱帽です!



この応急処置の方法は、早速当院でも取り入れさせていただこうと思います。