町田市 谷口動物病院 犬猫専門の病院です
  • 10«
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5
  • 6
  • 7
  • 8
  • 9
  • 10
  • 11
  • 12
  • 13
  • 14
  • 15
  • 16
  • 17
  • 18
  • 19
  • 20
  • 21
  • 22
  • 23
  • 24
  • 25
  • 26
  • 27
  • 28
  • 29
  • 30
  • »12
無菌性結節性脂肪織炎を疑う症例 2
2013年08月20日 (火) | 編集 |
さて、昨日の続きであります。



20130819tah03.jpg



ステロイド剤の使用で、炎症が軽減した病変部。



皮膚組織がもろくなった状態でしたので、縫合しても皮膚が裂けてしまうと判断。



「湿潤療法」で皮膚の再生を待つことといたしました。



20130819tah04.jpg



湿潤療法を始めてから4日目。



内部に肉芽組織が盛り上がってきて、組織の再生は順調に見えます。



後は、この上に皮膚が再生すれば良いだけ。



「こりゃ、思ったよりも早く治るかな~」



と、楽観視していたのですが・・・



20130819tah05.jpg



湿潤療法開始から3週間たっても、皮膚の再生が始まりません。



それどころか、内部の肉芽組織が過剰に発達してしまい、皮膚の表面よりも盛りあがった状態になってしまっています。



通常の湿潤療法の治療では、とっくに皮膚の再生が始まっていてもおかしくない時期なのですが・・・



通常、湿潤療法をおこなう際には、皮膚の欠損部に専用のパッド等をあてがって、包帯で密閉して治療いたします。



今回の受傷部は、かかとの部分であるため、歩くたびに皮膚欠損部が包帯でこすられてしまいます。



それによって、再生初期の脆弱な皮膚組織がすべて摩擦で損傷してしまうために、皮膚の再生が遅れてしまうのだと考えられます。



この後も、1か月ほど同様の治療を繰り返しましたが、一進一退。



皮膚の再生が始まったかな~と思った数日後には、また皮膚組織が削り取られてしまうという状態。



さらには、肉芽組織が増大すると、浸出液(傷が治るときにでる体液の一種)が多くなりすぎるため、「浸軟(しんなん)」といって、組織がふやけて脆弱化することも、傷の治りを妨げてしまっていました。



20130820tah01.jpg


一番酷いころの状態。



肉芽が過剰に盛り上がり、皮膚は全く再生する気配がありません。



今回の症例では、「無菌性結節性脂肪織炎」の治療のために、ステロイド剤を使用していることも、傷の再生を妨げる要因となっています。
※ステロイド剤は、傷の再生遅延の原因となる薬剤です。



かといって、ステロイド剤を減らそうとすると、炎症反応が悪化するという悪循環。




今まで、いくつもの外傷を「湿潤療法」で治療してきましたが・・・



流石に今回はお手上げといった状況でした・・・




そんな頃、ちょうど2月末に横浜で開催される学会で、外傷治療の専門医による講座が開催されるとの情報をキャッチ。



そこでの情報収集に望みをかけることとなりました・・・



続く。。。