町田市 谷口動物病院 犬猫専門の病院です
獣医医療の世界にも再生医療
2013年08月07日 (水) | 編集 |
「再生医療」


昨年、京大の山中教授がips細胞細胞の研究でノーベル賞を受賞されてから、一気に注目を浴びるようになった分野ですね。



私も専門分野ではありませんので、詳しくはないのですが・・・



獣医療界でも、数年前から再生医療導入の試みがなされています。



その中でも、現在注目を集めているのが・・・



自己の脂肪細胞から「幹細胞」を培養し、それを治療に役立てようというもの。



動物の体には、さまざまな器官や臓器などに変化する細胞が存在するのですが、この細胞を幹細胞(かんさいぼう)と呼びます。



この「幹細胞」の、骨や、軟骨、筋肉や心筋細胞、そして血管を形作る細胞に変化する能力を利用することで、自分の細胞から必要な器官や臓器を「再生」させようというのです。



そして、この「幹細胞」を、症例自身の「脂肪細胞」を利用して培養する技術はすでに確立されており、一般的に利用できるようになっているのです。
詳しくはこちら→株式会社J ARM様



「再生医療」といっても、さすがに、ニョキニョキと腕が生えてきたりするわけではありませんが・・・



関節炎の症例や、腎炎の症例に培養した幹細胞を投与することで、炎症を軽減する作用が期待できるようです。



その他、神経疾患において、神経機能の回復を促したり、骨折の治療などにも役立つようです。




海外では、一般の動物病院で症例から採取した脂肪細胞を、培養会社に送付することで、比較的簡単に「幹細胞」を入手できるそうで、すでに多くの動物病院で「再生医療」の導入が試みられているそうです。



ですが、日本においてはちょっと状況が違いまして・・・



現行の「薬事法」では、培養した細胞を医薬品として販売することが禁止されているために、海外のように、培養会社に依頼して「幹細胞」を手に入れることができないのであります。



そこで、先ほどご紹介した株式会社J-ARM様では、細胞培養キットの販売と、培養のトレーニングを獣医師向けにおこなっており、「再生医療」の導入を希望する獣医師が、自分の病院で細胞培養に取り組むことができるようにサポートしてくださっているのです。
※獣医師が、自分の病院内で培養した「幹細胞」を治療に使用することは問題ないということです。



とはいえ、これにもそれなりにハードルがございまして・・・



細胞を培養するには、培養のための設備が必要ですから、私としても興味はあっても、「じゃあ今すぐ導入」というわけにはいきません。



はやく、日本でも手軽に培養会社に依頼できるような日が来てほしいものです。