町田市 谷口動物病院 犬猫専門の病院です
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胃拡張胃捻転症候群 2
2013年08月06日 (火) | 編集 |
さて、胃拡張胃捻転症候群で、虚脱状態で担ぎ込まれたワンちゃん。




20130805tah03.jpg
膨らんだ胃は、バレーボールくらいの大きさまでに・・・
症例は9kg弱の中型犬です。



前回お話ししたように、拡張した胃は周辺臓器や血管を圧迫、さらには胃が捻転(ねじれる)することも、血流障害を悪化させます。



この血流障害は、致命的であるため、まずは早急に胃のガスを排出しなければなりません。



そこで、どうするかというと・・・



太めの針を、皮膚の上から胃に向けてブスッと刺して、大きな注射ポンプでひたすらガスを抜くのであります。



胃が捻転していると、思わぬ位置に脾臓などの重要臓器が移動していることがあるので、超音波検査で念のために臓器の位置を確認したほうが安全。



注射器でシュポシュポとガスを抜いていると、胃がしぼんでいきます。それと同時に、ワンちゃんの血流状態も改善していくのがよくわかります。



血流が悪く、虚脱状態の時には舌が紫色に変色しているのですが、ガスが抜けるのにしたがって、だんだんと血色がよくなっていくのです。



さて、注射器である程度ガスを排出したとしても、胃のねじれを何とかしないことには、またすぐにガスがたまってきてしまいます。





そこで、開腹手術をおこない、胃のねじれを解消しなければならないのですが・・・



今回のワンちゃんでは、もともとの持病が問題で、麻酔がかけられるような体調では無い為、手術は断念。



皮膚の上から胃をマッサージし、胃のねじれを解消できないか試みました。



胃がねじれているであろう方向をイメージしながら、グイグイとマッサージを続けること数分・・・



何とか胃のねじれは解消できたようです。



20130805tah02.jpg
胃のねじれが取れた状態のレントゲン
胃がねじれた状態と幽門部の位置が違うのにご注目。



20130805tah01.jpg
こちらはねじれた状態。




今回の症例は、諸事情により、手術は選択せず、ダメもとを覚悟でのマッサージ治療が幸いにも功を奏しましたが・・・


本来、胃拡張胃捻転症候群を起こした症例では、可能な限り開腹手術をおこない、胃のねじれを解消するとともに、胃の固定手術をおこない、症状の再発を防ぐことが望ましいとされています。