町田市 谷口動物病院 犬猫専門の病院です
  • 09«
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5
  • 6
  • 7
  • 8
  • 9
  • 10
  • 11
  • 12
  • 13
  • 14
  • 15
  • 16
  • 17
  • 18
  • 19
  • 20
  • 21
  • 22
  • 23
  • 24
  • 25
  • 26
  • 27
  • 28
  • 29
  • 30
  • 31
  • »11
短頭種気道症候群 1
2013年07月09日 (火) | 編集 |
少し前に入院治療をおこなっていた症例。



フレンチブルドッグのWちゃん。



明け方に、急に呼吸困難を起こして、倒れてしまったとのこと。



すぐにご来院いただき、酸素吸入の準備をおこないつつ、手早く身体検査をおこないます。



聴診器をあてて肺音をチェックすると、「ブチブチ・バリバリ」と荒い肺の音。



ちょうど耳元で髪の毛を指で捻じったような音がするということで、「捻髪音(ねんぱつおん)」と表現する音なのですが・・・



「肺水腫」といって、本来なら空気を含まなければいけない肺の内部に、血液中の水分が漏れ出てしまった状態の時に、この「捻髪音」が聴取されます。



20130709tah07.jpg


左側の写真が、今回治療をおこなったワンちゃんの胸部レントゲン写真。



正常例に比べると、胸の中が真っ白で、心臓の形もハッキリとしません。



この、真っ白になった部分が「肺胞」に貯留した水分です。



「肺胞」は、本来なら空気を取り込んでガス交換(酸素と二酸化炭素の)をおこなう部分です。



ここに水分がたまってしまうということは、いくら空気を吸ってもガス交換ができず、体内に酸素を取り込むことができなくなってしまうということです。




さて、「肺水腫」には、「心原性肺水腫(心臓病が原因になって発症する)」と、「非心原性肺水腫(心臓病以外の原因による肺水腫)」の二つがあります。



我々獣医師が日常的に遭遇する肺水腫のほとんどが、心臓病が原因で発症する「心原性肺水腫」なのですが・・・



どうも今回の症例は様子が違います。



Wちゃんは、まだ3歳と若く、慢性心不全を起こすことは考えにくい・・・



それに、今回の入院の10日ほど前に、フィラリア予防のために来院されており、その際の身体検査でも、心音や肺音など一切異常はございませんでした。



となると・・・考えられるのは、「非心原性肺水腫」ということになります。



「非心臓原性肺水腫」は、心臓病以外の原因から発症する肺水腫のことで、その原因は・・・



閉塞性・・・窒息によって、肺内部の圧力が変化して発生する肺水腫。首を絞められたり、喉の疾患で窒息したり。



神経性・・・脳障害や発作、感電など。



急性肺障害・・・肺炎や膵炎などの炎症性疾患が原因となる。



などが主なところ・・・



この中から、今回の「非心原性肺水腫」の原因を正確に突き止め、的確な治療をおこなわなければなりません。



・・・と、ここまでは前置きで・・・



タイトルにある短頭種気道症候群については、次回から詳しくお話しします。



つづく・・・