町田市 谷口動物病院 犬猫専門の病院です
歯周病治療 Pちゃんのケース
2013年07月04日 (木) | 編集 |
少し前におこなった、歯周病治療の症例です。



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11歳になるワンちゃんです。



3年ほど前にも一度、麻酔をかけて歯石クリーニングをおこなったそうですが・・・



半年くらい前から歯が抜け始め、口臭が気になるとのこと。



さらに、最近では出血も酷いとのことで来院されました。



ご覧の通り、全体にたっぷりと歯石が付着しており、周辺にはヘドロのようになった食べカスも付着しています。



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右上の奥歯。重度の歯槽膿漏のため、歯茎の肉も、奥歯を支える骨(歯槽骨)も壊死してしまっています。



さらには・・・



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この右下の奥歯・・・



一見奇麗に見えますが・・・銀色の器具が刺さっています。これ、1cmくらい刺さっている状態。


つまり、それだけ根っこの部分が歯槽膿漏でダメになっているということ。


この歯は、見た目は奇麗でも、歯周病が歯の根っこまで広がっているので、抜かなければいけません。



このように、一見見た目が奇麗でも、実際には歯周病が広がっている歯というのを、きちんと評価して処置することが大切。



いくら歯石を取って「見た目だけ」奇麗にしても「歯周病治療」をおこなったことにはなりません。





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この写真は、左の鼻の穴から血が出ています。



これは、鼻血ではなくて、左側の犬歯の歯周病病巣からの出血です。



歯周病が重度になると、歯根周辺の骨が壊死していきます。



そして、最終的には鼻の穴や、眼の周辺の骨まで病巣が広がるため、このように、鼻の穴と口の中が歯槽膿漏でつながってしまうのです。



「鼻水や眼脂の症状が酷くて治らない」なんて症例では、実は原因は歯周病にあったってこともよくあるのです。



こちらのワンちゃん、なんだかんだで・・・



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合計17本も抜かなければならないような状態でした。



抜いた部分は、大きく歯茎が欠損するため、その部分は周辺の歯茎や頬の粘膜を整形して縫合していきます。



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肉食動物の歯は、非常に頑丈です。体重10キロ程度の中型犬でも、成人男性よりも大きな歯が何本も・・・




これを抜くのはなかなかに重労働。合計4時間半もの、長時間の処置となりました。



高齢のワンちゃんですので、長時間の全身麻酔にやや不安がありましたが、なんとか大きな問題なく終えることができました。