町田市 谷口動物病院 犬猫専門の病院です
サンダル
2013年06月20日 (木) | 編集 |
6月は、動物病院が最も忙しい季節ですので、なかなかブログまで手が回りません 




いつもご覧いただいている方々には申し訳ありませんが、しばらくはゆっくりペースで更新していきたいと思います。



さて、本日とりあげるのは・・・



スポンジ製のサンダルを食べてしまったというワンちゃん。




もともとワクチン接種のご予約をいただいていたワンちゃんなのですが、夜中のうちにいたずらをしてしまったそうです。



とりあえず、本人は元気にしているそうですが、ワクチン摂取するかどうかはともかく、一度見せていただくことにいたしました。




身体検査では特に問題なく、ワンちゃんも元気いっぱい。



谷:「細かく咬み砕いてれば、少しくらいなら食べちゃってもウンチにでると思うんだけど・・・どのくらい食べました?」





飼い主様:「まるまる片足分です」




・・・う~ん・・・ワンちゃんは中型犬。中型犬に片足分のサンダル・・・どんなもんでしょう?



細かくちぎってくれてればウンチにでるかな~・・・とレントゲンを撮ってみると・・・




20130620tah01.jpg




・・・これは無理そうです。



胃の中がサンダルの破片で一杯です。



それぞれの破片が重なり合って写っているので、大きさもよくわかりません。



大きな破片があった場合は、腸閉塞を起こし、命にかかわる危険もございます。



仕方ありません。緊急手術で摘出する事になりました。




20130620tah02.jpg



開腹し、まずは腸全体を確認します。すでに腸閉塞を起こしている可能性があるからです。



写真は結腸という部分。細かく砕いたサンダルが確認されます。



ですが、通常、結腸まで進んだ物体は、ほぼ問題なく便として排泄されますので、この部分については心配ありません。



腸閉塞を起こす可能性が高いのは、十二指腸・空腸・回腸といった部分なのですが、今回は問題ありませんでした。



一通り、腸の状態を確認したら、今度は胃です。



20130620tah03.jpg
 

案の定、胃の中にはスポンジ製のサンダルと思われる、弾力性のある異物でパンパンです。



あまりに胃が張っているので、切開した部分から胃を露出するのが困難なくらい。




20130620tah04.jpg




胃をひらくと・・・でるわでるわ・・・大量のスポンジの破片。



20130620tah05.jpg



無数の破片を、根気よくピンセットで取り出していきます。



途中で、「誰か変わって~!」って言いたくなるくらい、根気のいる作業・・・



胃を開くといっても、全開にパッカリ開くわけではなく、5cm程度の切開部分から、中を覗き込むようにしての作業です。




胃を丁寧に触診しながら、とり残しがないように・・・なんどもなんども破片をつまみだす作業を繰り返し・・・



20130620tah06.jpg



サンダル片足分って・・・結構なボリュームなんですね~・・・




手術は無事成功。ワンちゃんも無事に退院していきました。



人間からすると、スポンジ製のサンダルなんて美味くも何ともないでしょうに・・・よくこれだけの量を飲み込むもんです。



ワンちゃんは、人間からすると、「これは無理でしょう??」というような「大きさ」、「量」、「味」の異物でも、平気で丸のみしてしまうことがあります。



こういった事故を防ぐためにも、皆さん普段からご注意くださいませ。