町田市 谷口動物病院 犬猫専門の病院です
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東洋眼虫
2013年03月25日 (月) | 編集 |
こちら、角膜を損傷したワンちゃんの目の写真。




20130325tah01.jpg



黒目の一部が白く濁っています。



これは、角膜(目の表面)に傷がついた後の治りが悪い状態。



角膜に傷がついた場合、ほとんどの場合は1週間程度で元通り透明に治るのですが、中には、このように治りが悪いケースがあります。



その様なケースでは、逆さまつ毛が角膜を刺激していたり、ワンちゃん自身が目をこするために治りにくくなっていたり、別の目の病気を併発していたりと、何かしらの要因があって治癒遅延を起こしているものなのですが・・・




今回のワンちゃんは、寄生虫が原因で傷の治りが悪くなっていました。




20130325tah02.jpg



こちら、東洋眼虫という寄生虫。目蓋の裏側に寄生する虫です。




関西や九州に多くみられる寄生虫で、関東ではあまり見かけないそうです。




私も、今回で3例目であります。




この「東洋眼虫」は、ハエが媒介する寄生虫であります。




ハエがワンちゃんの目にとまったときに、小さな幼虫を足にくっつけて、他の動物に広げて回ります。




人間にも寄生するそうですよ。




この寄生虫自体が目に大きな問題を起こすことは少ないようです。



今まで私がみた症例では、眼脂が多くなる程度の症状でした。




ただ、今回のワンちゃんは、この虫がモゾモゾと動く不快感から、目をこすったりしているうちに角膜を傷つけてしまったようです。




さらに、傷ついた角膜の表面をこの寄生虫が刺激するために、傷の治りが悪くなってしまっていたようです。




この寄生虫を駆除するには、地道にピンセットでつまんで摘出するしかありません。





ただ、やっかいなのが、この寄生虫は身の危険を感じると、小生意気なことに目蓋の裏の奥へ奥へと逃げて隠れてしまいます。



ワンちゃんやネコちゃんには、「第三眼瞼(だいさんがんけん)」という、人間に無い構造があり、その奥に隠れられるとどうにもなりません。




今回のように目に傷が付いている症例では、できる限り早く、すべての寄生虫を摘出する必要がありますので、全身麻酔下で、目蓋をめいっぱいひっくり返して摘出することとなりました。




結果、合計3匹の東洋眼虫が摘出されました。



たった1cm程度の寄生虫3匹相手に、全身麻酔をかけなければならないのが、なんとも納得がいかないところです・・・