町田市 谷口動物病院 犬猫専門の病院です
  • 06«
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5
  • 6
  • 7
  • 8
  • 9
  • 10
  • 11
  • 12
  • 13
  • 14
  • 15
  • 16
  • 17
  • 18
  • 19
  • 20
  • 21
  • 22
  • 23
  • 24
  • 25
  • 26
  • 27
  • 28
  • 29
  • 30
  • 31
  • »08
喘息 2
2013年03月14日 (木) | 編集 |
つづき。



さて、喘息と診断し、治療をおこなっていたネコちゃん。


幸い、お薬がよく効いて、咳もほとんど気にならないくらいになっていたのですが・・・



飼い主様のお仕事の都合などがあり、1か月ほどお薬が切れてしまいました。




そしたら、今年の1月になって急激に症状が悪化。



重度の呼吸困難で入院治療となってしまいました。




20130311tah04.jpg



レントゲンを撮ると、左右の肺の中央部に三角形に写る二つの白い影。



この所見は、肺の一部が、酸素が取り込めなくなった状態を示します。



「喘息」になると、肺全体の気管支が収縮し細くなり、さらに炎症を起こした気管支粘膜から分泌物が分泌されます(気管支炎)。



気管支は、肺の奥に空気を取り込むための「気道」ですから、これが細くなったり分泌物で詰まってしまったりすると、呼吸障害を起こします。



この状態を解りやすくイメージしてもらうには、「花粉症の鼻づまり」を思い浮かべてもらうとよいと思います。



「鼻炎(花粉症)」になると、鼻の穴の粘膜が腫れて鼻の通りが悪くなり、鼻水がたくさん出て、鼻で息ができなくなります。それと同じ状況が肺の奥深くの気管支の部分に起こるのです。




2013年03月14日16時22分38秒_ページ_1




この症例のレントゲンで白く影になっている部分は、細くなった気管支の内部に分泌物が詰まって、完全に換気できなくなってしまった状態なのです。(鼻づまりの場合は口をあけて呼吸ができますが、気管支ではそうもいきません。)





幸い、酸素室での1週間ほどの集中治療の甲斐あって、何とか呼吸困難の状態からは回復。




20130311tah05.jpg



右側の肺(本人にとっては左肺)はかなり奇麗になりました。



ですが、残念ながら左の中央部(本人にとっての右肺)は白くつぶれたままです。





特に、右肺の中央部分は、気管支の走行方向と、重力の関係から分泌物がたまりやすく、このように治療しても回復させられないことが多いようです。
(右肺中央部に向かう気管支は、動物が4本足で立った時に、地面に対して垂直になるため、分泌物などが流れ込みやすいのです)




幸い、この程度であれば、日常生活には支障が出ないレベルですので(もちろん、過激な運動は無理ですが)、今後はしっかりと投薬を続けていけば問題ないかと思われます。




「喘息」というと、「咳が続いて苦しい」というイメージは皆さんお持ちかと思いますが、このように肺の一部が機能しなくなることもあるというのは、割とご存知ないかと思います。



ネコちゃんで咳を起こす病気は少なく、咳の症状がみられた場合は「喘息」であることが多いですので、「あれ?」と思ったら、早めに動物病院にご相談くださいね。