町田市 谷口動物病院 犬猫専門の病院です
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ネコの子宮蓄膿症
2013年02月21日 (木) | 編集 |
「発情のようだけど、白いオリモノが出てくるのと、お腹が急に張って来たのが気になって・・・」




ということで、来院されたネコちゃん。




みてみると、たしかに陰部からオリモノが。




ただ、おっぱい周辺の毛が薄くなっていたので・・・




「あれ? ひょっとして妊娠?」と思って、飼い主様に確認しますが、お家にいるオスネコちゃんは去勢済みだし、外に逃げ出したりしたこともないということ。




慎重にお腹を触診すると・・・たしかにお腹が張っており、子宮と思われる固いふくらみが触れます。




触った感触としては、胎児ではなさそう・・・





となると・・・、疑わしいのは子宮蓄膿症。




今までもたびたびとりあげていますが、発情期~発情期後のメス犬・メス猫ちゃんでは、子宮内部に細菌感染が発生し、膿がたまることがあります。




初めは、膿のようなオリモノがみられるくらいで、元気食欲には問題ないことがほとんどですが、進行すると元気・食欲が低下し、水をがぶ飲みするようになります。



最終的には、腹膜炎、多臓器不全で命を失う病気で、なるべく早い段階で診断し、手術で膿の溜まった子宮を摘出する必要があります。




今回のネコちゃんでも、超音波で膿の溜まった子宮が確認されたので、緊急手術。




20130221tah01.jpg



お腹を開くと、膿がパンパンにたまった子宮が・・・



体重3~4kgのネコちゃんのお腹から、赤ちゃんの腕くらいの太さの子宮。不用意に扱うと、子宮破裂をおこし、大量の膿が漏れ出る危険があります。




20130221tah02.jpg




ネコちゃんの子宮は双角子宮といって、子宮が二股にわかれた構造をしています。



子宮を摘出する場合、子宮の中央部分(二股に分かれる前の部分)を結紮(縫合糸で縛ること)したうえで切断するのですが・・・



ここまで子宮に膿がたまっていると、糸で結んだ力で子宮が破裂する危険があります。
(パンパンに膨らませた細長い風船の中央を、紐でしばろうとするイメージです)




そこで・・・




20130221tah03.jpg




中央部から注射器で内部の膿を吸い出します。それで、子宮のふくらみを少しでも減らしてから結紮する作戦だったのですが・・・



子宮の破裂を防ぐために、細めの針を選択したため、膿がなかなか吸い出せません 



しかも、苦労して吸い出したものの、糸で結紮すると、その圧力で針穴から残った膿が漏れ出てくる始末 




子宮破裂は防げたものの、針穴から絶え間なく漏れ出る膿をガーゼで防ぎながらの手術となってしまいました 




まあ、子宮破裂するよりはマシですが・・・




さて、症例のネコちゃんは、幸い腹膜炎等の合併症もなく、数日で元気に退院して行きました