町田市 谷口動物病院 犬猫専門の病院です
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尿石症 1
2013年01月05日 (土) | 編集 |
さて、本日2度目の更新であります。



今回ご紹介するのは、昨年末にご来院いただいた症例です。



2013年1月で13歳になる高齢のゴールデンレトリバーの男の子。(来院時は12歳11カ月)








尿石症(尿道閉塞)の治療のご相談でした。




20130105tah02.jpg
膀胱の超音波画像。丸で囲った部分が尿石。
特に、下側の白く帯状に光っている部分は、多数の細かな尿石が沈殿していると思われます。



数ミリ、もしくは1ミリにも満たないような細かな尿石が多数膀胱内に沈殿しています。




その細かな尿石によって尿道がふさがってしまい、おしっこが出なくなってしまったのです。




まずは尿道にカテーテル(管)を通して、尿の通り道を確保します。



20130105tah01.jpg




カテーテルを通して出てきた尿に混ざって、非常に細かな尿石が排出されてきます。



20130105tah03.jpg



カテーテルの内径よりも細かいような尿石はこのように排出されますが、1mmを超えるサイズのものは膀胱内にとどまります。



そのため、カテーテルを抜けばまたすぐに尿道は詰まってしまいます。




人間とは違い、ワンちゃんのペニスには、陰茎骨という骨が存在します。



この骨が尿道のすぐそばにあるため、尿石が引っ掛かりやすくなるのです。

20130105tah08.jpg



この骨さえなければ、ゴールデンレトリバーサイズのワンちゃんでしたら、3~4mmの尿石ぐらいなら排泄されるのですが・・・






尿石は、その主成分によって様々な種類に分類されます。




ワンちゃんで一般的なのはストラバイト(リン酸アンモニウムマグネシウム)というマグネシウム系の尿石です。



このタイプの尿石でしたら、食事療法で石を溶かすことができます。




ただ、残念ながら今回の症例はケイ酸を主成分とする尿石でしたので、手術で石を取り出すしかありません。




ですが、ここで大きな問題が・・・




症例の年齢です。




ゴールデンレトリバーで13歳というのは極めて高齢。



きちんとした統計を取ったわけではないですが、経験上、平均的なゴールデンレトリバーの寿命は10~12歳といったところです。




平均寿命をこえるほどの高齢犬に手術をするリスクを考えなければいけません。




選択肢は二つ。



①高齢というリスクはあるが、思い切って手術に踏み切り、完治を目指す。



②手術はおこなわず、カテーテルをいれっぱなしにして余生を送る。



①の場合は、手術そのものの危険がございます。麻酔・手術中に亡くなる危険性、手術に耐えたとしても、手術後に腎不全などをおこしてなくなってしまう危険性などです。




②の場合は、カテーテルを入れ続けることでの細菌感染の危険性や、自宅での数カ月~数年(寿命を考えれば1~2年?)のカテーテル管理を、御家族が許容できるかどうかという問題がございます。






そのあたりをじっくりと飼い主様とご相談して、治療方針を決めなければなりません。




つづく・・・