町田市 谷口動物病院 犬猫専門の病院です
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心房中隔欠損
2012年10月15日 (月) | 編集 |
避妊手術前の検査をおこなったネコちゃんでのこと。




当院では、避妊手術や去勢手術をおこなう際には、まず全身麻酔を安全に実施できるかどうかを確認するための、麻酔前検査をおこなわせていただいています。




血液検査・心電図検査・胸部レントゲン検査をすべての症例で実施させていただき、安全性を確認したうえで手術に臨むのですが・・・




その際に、心電図と胸部レントゲンで「心拡大」が疑われたネコちゃんです。




飼い主様のお話しでも、他の兄弟ネコちゃん達に比べて、普段から疲れやすく、息がハアハアすることが多いということでした。




まだ、生後7か月と若いネコちゃんでしたので、先天性の心疾患の可能性もあるため、超音波検査で心臓を詳しく調べさせていただきました。




そうすると・・・





20121015tah01.jpg



右心房(RA)と左心房(LA)を隔てる「心房中隔」に大穴が・・・




「心房中隔欠損症」という先天性の心奇形です。




20121015tah02.jpg
赤い色が左心房(LA)から右心房(RA)に流入する血液です。




カラードップラーという方法で観察すると、左心房(LA)から右心房(RA)に向かって血液が流れ込んでいるのが解ります。




皆様ご存知かと思いますが、心臓内部は上下左右4つの部屋に分かれています。




「心房中隔」は心房上部を左右に隔てる隔壁の役割をしているのですが、ここに穴があいてしまうと、本来なら内臓や筋肉に流れるべき「動脈血」が右心房を経て「肺」に流れて行ってしまいます。





2012年10月15日16時53分02秒_ページ_1





こうなると、「肺」に通常よりも大量の血液が流れることになるため、肺血管に負担がかかり、呼吸困難などの症状が現れます。




欠損孔が小さな場合は、肺への負担は最小限で、特に問題なく一生を過ごすことができます。




ですが、欠損孔が大きな場合は肺への負担が大きくなり、成長とともに呼吸困難などの問題が顕在化してきます。




これを治療するには、手術で欠損孔を塞ぐ以外ないのですが、小動物の小さな心臓では治療に限界があります。




このネコちゃんでは、今のところ心機能に大きな問題は出ていませんが、今後も注意深く経過を見守る必要があります。