町田市 谷口動物病院 犬猫専門の病院です
  • 05«
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5
  • 6
  • 7
  • 8
  • 9
  • 10
  • 11
  • 12
  • 13
  • 14
  • 15
  • 16
  • 17
  • 18
  • 19
  • 20
  • 21
  • 22
  • 23
  • 24
  • 25
  • 26
  • 27
  • 28
  • 29
  • 30
  • »07
血栓塞栓症
2012年09月08日 (土) | 編集 |
前回、「肥大型心筋症」による血栓についてお話をいたしましたが・・・






20120830tah01.jpg
十字印部分が血栓





今回は、その血栓の行く末についてもう少し詳しくお話しいたします。





「肥大型心筋症」による血栓は、心臓の中でも「左心房」と呼ばれる部分にできます。





心筋壁が肥大することで、心臓のポンプ機能が障害され、血のめぐりが悪くなった左心房内に血栓が形成されると考えられています。





形成された血栓は、左心房内でコロコロ転がっているうちは大きな問題をおこすことはありません。
(肥大型心筋症による心不全症状は別として)






この血栓が、何かの拍子で動脈に流れて行ったときに大きな問題になります。






120908tah01.jpg
おっと、大動脈弁の向きがさかさまになってしまいました 




心臓からのびる大動脈は徐々にほそくなり、分岐しながら後ろ足の先まで伸びていきます。





左右の足としっぽに向かって三又に血管が分岐する部分があるのですが、この部分に血栓が詰まることが多いのです。






血栓が詰まると、後ろ足への血流が途絶えますので、突然の後ろ足の痛みと、麻痺が生じることになるのです。






この血栓塞栓症は、肥大型心筋症の症状としては末期的な症状の一つです。





詰まってしまった血栓は、手術で取り出したり、特殊な注射薬で溶かすことも可能ですが、一時的な延命処置に過ぎません。





血栓をいくら取り除いたところで、「肥大型心筋症」による心不全が治るわけではありませんので、また新たな血栓が発生したり、心不全が悪化し突然死することがほとんどです。






残念ながら、ほとんどの症例が数日から数週間程度で亡くなってしまいます。





この肥大型心筋症というのは、私が学生の時の病院実習で担当した病気だったこともあり、非常に思い入れの強い病気であります。





サスケ君というアメリカンショートヘアの男の子だったのですが、彼を担当したことが、私が循環器疾患に興味を持つきっかけの一つとなりました。