町田市 谷口動物病院 犬猫専門の病院です
天疱瘡(てんぽうそう)
2012年06月19日 (火) | 編集 |
「急にフケが多くなった」ということで診察させていただいたワンちゃんです。





20120619tah01.jpg




鼻のところに、白くがさがさしたフケが大量に蓄積しています。



鼻だけではなく、全身的に白いフケが多く出ており、抱っこをしていると膝のところに白くフケが積もるくらいになるそうです。




このお鼻のところのフケ・・・




「天疱瘡(てんぽうそう)」という皮膚病の特徴的な症状の一つです。




「天疱瘡」とは、「免疫機能の異常」によって発生する皮膚病で、人では難病となっているようです。



「免疫」というのは、生き物が生まれながらにして持つ防御機能のこと。



本来は、外部から侵入した細菌やウィルスなどを排除するための機構なのですが・・・



何らかの理由でこの「免疫」が異常をきたし、自分自身の細胞まで攻撃を始めてしまう病気を自己免疫疾患といいます。



「天疱瘡」の場合は、表皮の細胞を結び付ける接着剤の役割を果たすタンパク質が、自分自身の「免疫」によって攻撃されてしまいます。



その結果、表皮細胞の結びつきが弱くなってしまうため、わずかな外力で皮膚細胞が剥がれてしまい、水疱(みずぶくれ)が発生、さらにつぶれた水疱は写真のような白っぽいフケとなって蓄積いたします。





20120619tah02.jpg




こんな風に、足の裏にも白く粉をふいたようにフケが発生します。




治療には、ステロイド剤をはじめとした、「免疫抑制剤」を使用します。



この病気は「難治性」で、投薬で症状が落ち着いても、お薬を止めたり、お薬の量を減らすと再発してしまうことが多い病気です。



そのため、お薬の副作用とうまく折り合いをつけながら、長期にわたって投薬を続ける必要が出てきます。




写真のワンちゃんも、ステロイド剤の投与で症状はすっかり収まりましたが、今後も注意深い経過観察が必要になります。