町田市 谷口動物病院 犬猫専門の病院です
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皮下点滴
2012年04月20日 (金) | 編集 |
現在、入院中のネコちゃんの処置の様子ですが・・・





20120420tah01.jpg




右肩にチューブがつながっており、テープでとめてある様子がわかると思います。




このテープの下には針が刺さっています。



皮下点滴という点滴処置であります。



下痢や嘔吐、脱水症状、腎臓疾患・・・様々な内科疾患の治療で点滴はおこなわれますが、人医療で一般的に点滴と言えば腕の静脈に針を刺しておこなう光景を思いうかべると思います。



動物医療では、静脈点滴と並んで、皮下点滴という方法が日常的にとられています。


これは、皮膚と筋肉の間の空間に針を刺して、そこに点滴液をためる方法。


皮下組織に貯留した点滴液は、数時間かけて体に吸収されていきます。


小型犬やネコちゃんでも100~200ml程度の点滴液を一度に投与することができます。


おそらく、人間でこんな大量の点滴液を皮下に注射したら相当痛いのでは??



ワンちゃん・ネコちゃんでは、皮膚の血管構造が人間と異なり、皮膚の伸びが良いため、こういった点滴をおこなうことができます。



さて、通常の静脈点滴では、一度に急速・大量に点滴を投与すると循環機能への負担がかかってしまうため、小型犬やネコちゃんであれば100mlの点滴を投与するのにも最短で1~3時間が必要です。


ですが、皮下点滴の場合は、10分程度の短時間で100mlの点滴を投与したとしても、すぐさまに体内に吸収されるわけではないため循環系にかかる負担が最小限になります。


そのため、「入院するほどではないけど、点滴はしておきたい」というような症例で、通院点滴をおこなうのに重宝する技術であります。


10分程度の処置時間で済むため、通院される飼い主様の時間的な負担も最小限になります。



20120420tah02.jpg


当院では、このような点滴キットを使用して皮下点滴をおこなっています。



この皮下点滴の利点がもう一つございまして・・・



慢性腎不全で毎日のように点滴が必要な症例では、ご自宅で飼い主様におこなっていただくことが可能ということ。



静脈点滴では、静脈に針を刺す技術、そしてそれを確実に固定する技術など、ちょっと一般の飼い主様に御自宅でおこなっていただくには無理がありますし、血管に対するダメージなどを考えると毎日の点滴を数カ月、数年にわたっておこなうというのは非現実的であります。


一方、皮下点滴では一般の飼い主様でも2~3回も練習していただければできてしまうくらいです。



毎日の点滴についても、皮膚に対するダメージは若干ございますが、ほとんど無視できる範囲です。



それこそ、糖尿病の方が毎日お注射して平気なのと同じ感覚であります。



写真のネコちゃんも、これから飼い主様に点滴法を練習していただいて、御自宅での点滴に切り替えていく予定です。