町田市 谷口動物病院 犬猫専門の病院です
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会陰ヘルニア ②
2012年02月14日 (火) | 編集 |
さて、徹底的にお尻を洗浄した会陰ヘルニアのワンちゃんの続きです。


ピカピカのお尻で手術室へ。


20120214.jpg


まずは飛び出してきた内臓脂肪や腸の状態を確認するところから始まります。


20120214 (2)


皮膚を切開すると、飛び出してきた内臓脂肪が確認されます。
幸い、この症例は早い段階で病院にご来院いただいて応急処置をおこなっていたため、腸や膀胱などがひどく飛び出すことはなかったようです。

会陰ヘルニアになると、ウンチをするときにふんばった力が、ヘルニアの穴のほうに集中するため、どんどんと腸が飛び出してきたり、穴が拡大したりと悪化しやすいため、なるべく早く治療を受けることが大切です。

さて、この後は飛び出してきた内臓脂肪をお腹の中に押し戻し、周辺の筋肉や血管の状況を確認していきます。

会陰ヘルニアでは、筋肉が弱体化して細くなっていたり、千切れてしまったりしていて、解剖学的な位置が大きく変化してしまっています。

正常な解剖図を頭に描きながら、周辺の状況を確認していくのですが・・・

「筋肉がヘロヘロに弱ってて、どれがどの筋肉かわけわからん!!」

というのが正直なところ。

前回お話しした、「周辺筋肉を縫い合わせて壁を再建する方法」は、こんな状況から筋肉を縫合していかなければならないのです。
ずいぶんと大変な作業ですし、とりあえず縫い合わせたものの、弱った筋肉に大きな力がかかってすぐに再発ということになりかねません。


そこで、こちらの方法。

20120214 (3)

専用に開発されたシリコンプレートを、ヘルニアの穴にあてがい、周辺組織に縫いつけていきます。
骨盤には、後ろ足や泌尿器に関わる重要な神経や血管が集中しているため、そういった血管・神経を傷つけないように注意しながらの作業になります。

この方法ですと、縫いつけた部分にかかる力は最小限になりますので、再発の危険性がずいぶんと低くなります。

この術式を開発した先生の報告では、再発率は2%程度とされています。

ただし、前回もお話ししたように、このシリコンプレートに感染症をおこしてしまった場合は、シリコンプレートを摘出しない限り治らないという危険もありますので、感染症をおこさないよう、細心の注意を払う必要があります。


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術後の様子


20120214 (5)

手術から10日ほどたった症例の様子。



現在、手術からちょうど一カ月がたちましたが、感染症も見られず、再発もありませんので一安心です。

町田市 谷口動物病院