町田市 谷口動物病院 犬猫専門の病院です
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コーヒーフレッシュ(コーヒーミルク)続き
2012年02月12日 (日) | 編集 |
さて、先日の続き。


20120210 (4)
胃内のコーヒーフレッシュ(ミルク)の超音波画像


コーヒーフレッシュ(ミルク)をいたずらして食べてしまったワンちゃんですが、おそらく胃内に17個のコーヒーフレッシュ(ミルク)の容器が残っていると思われます。

これを、どう取り出すかですが・・・


①自然に便に出るのを待つ。

②薬物で吐かせる。

③内視鏡で取り出す。

④外科手術で胃をあけて取り出す。

①の便に出るのを待つ方法ですが、この症例の場合は、すでにコーヒーフレッシュ(ミルク)を飲んでしまってから4~5日経過しているにもかかわらず、一個も便に出てきていないということなので、この先出てくるかどうかは期待薄。

②の薬物で吐かせるというのが無難な方法ですが、17個すべて出てくるかどうか・・・

③・④については全身麻酔が必要になる処置になりますし、特に③の内視鏡については当院では実施できませんので、大学病院等を御紹介することになります。


まずは②の「薬物で吐かせる」を試してみて、それで17個全部でてくれればいいし、そうでなければ次の手を考えるというところが現実的。


それで出てきたのがこちら。


20120210 (3)


新たに10個でてきました。

さて、ここで次なる問題が発生。

25個入りの袋のうち、23個が行方不明で、おそらくワンちゃんが食べたと思われます。
23個の行方不明のうち16個はワンちゃんの胃内から出てきました。
残るは7個。
この7個が間違いなく胃の中にあるかどうか?

これを確認するのが至難の業。
先日お話したとおり、レントゲンでこういったプラスチック容器がはっきり写るかどうかは微妙なところ。
超音波でも正確な数の把握は困難。

内視鏡での確認や試験開腹での確認については、全身麻酔が必要なことや、費用的なことも考えると「やらなくてすむのなら・・・」というところ。

「何をどれだけ飲んでしまったか?」が確実にわかっているときは良いのですが、今回のようにハッキリしない場合(実はコーヒーミルクの他にも、イタズラしてしまった可能性があるとのこと・・・)は、なかなか判断が難しい。

明らかに吐き気などの症状が出ていれば、腸閉塞を疑い開腹手術にも踏み切りやすいのですが、このワンちゃんは少なくとも16個ものコーヒーミルクの容器が入っていたにもかかわらず、この4~5日間まったくの無症状。

「吐き気の反応」が普通のワンちゃんに比べてずいぶんと鈍い様子。

そもそも、お薬で吐かそうとした時も、吐き気を誘発するお薬を、目いっぱい投与してもなかなか吐かず。

普通の子なら、半分の量で4~5回は吐くところを、「もうこれ以上は胃炎など副作用がひどくなるので飲ませられない」という目いっぱいまで投与しても2回しか吐かず。

もしかしたら、日をおいて何度か吐かせれば残り(胃内にのこっていたとして)も吐くかもしれません。

もちろん、それまでに腸閉塞などの症状が出てしまえばお腹をあけるしかありませんが・・・


そのあたりのメリット・デメリット、腸閉塞の危険性などを総合して飼い主様とご相談し、便に出てくれることも期待しつつ、しばらく経過観察しながら考えていくことにしました。



ところで、このワンちゃん、犬種はゴールデンレトリバー。

レトリバー系は、こんな風にイタズラしていろんなものを飲み込むことが非常に多い犬種です。

レトリバー系の犬種は、本来は水鳥猟で撃ち落とした鳥をくわえて持ってくる(回収する:Retrieve)ために使役されてきた犬種ですので、「異物を良く飲み込むのは、本能的に口に物をくわえるのが好きだからじゃないか?」なんてと聞いたことがあります。


でも、くわえたはいいけど、飲み込んじゃったらレトリバー(Retriever:回収する犬)失格ですよね~?