町田市 谷口動物病院 犬猫専門の病院です
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椎間板ヘルニア 保存的療法③
2012年02月03日 (金) | 編集 |
ここまでで、「椎間板ヘルニア」の簡単な御説明と、ダックスフンドで重症化しやすいというお話をしましたが、今日はその重症度の分類についてでございます。


「椎間板ヘルニア」では、その症状に応じてグレード1~5に分類されます。


20120202.jpg


グレード分類にかかわる症状として・・・

①痛みの有無

②固有知覚の有無

③随意運動の有無

④表在痛覚の有無 膀胱麻痺の有無

⑤深部痛痛の有無

固有知覚:自分自身の手足の位置を把握する能力。自分の手足の関節がどのくらい曲がっているのが、どの方向を向いているのかを知覚する能力。

随意運動:自分の意思で手足を動かすことができる。

表在痛覚というのは、単に手足をつねったり、針でつついた時に痛いと感じるかどうか。

深部痛覚というのは、指の骨までミシミシと力が加わるほどの外力に対して痛みをかんじるかどうか。

これらの症状がどこまで見られるかでグレードをわけます。

グレード1は単に圧迫部分に痛みがあるだけで、運動神経などに影響が出ていないレベル。わかりやすく言えばギックリ腰で腰を痛めたような状態。

グレード2は痛みに加えて、固有知覚に問題が出ている状態。手足を自分の意思で動かすことはできるが、その関節の位置や曲がり具合に関する感覚に障害が出るため、手足を引きずるように歩きます。

グレード3になると、随意運動が消失。つまり、手足を自分の意思で動かすことができなくなります。

グレード4は膀胱麻痺が起きたり、つねったり針でつついても痛みを感じないくらいになり、グレード5ではペンチで指をギュッとつまむくらいの強い力を加えても全く感じないくらい。完全な下半身不随の状況になります。


20120202 (2)

上の図は、脊髄神経を輪切りにした断面のイメージ図。


固有知覚をつかさどる部分や随意運動をつかさどる部分、深部痛覚をつかさどる部分の位置関係を示しています。

神経の圧迫が軽度であれば、圧迫による痛みだけ。

もう少し圧迫が加わると、比較的表面部分の固有知覚だけに障害。

圧迫が強くなるほど、脊髄神経中心部までダメージが加わっていきます。それとともに、症状が重症化していきます。


「椎間板ヘルニア」はどの犬種にも発症しうる病気ですが、ほとんどの犬種ではせいぜいグレード1~2の症状までで、数週間の安静と、鎮痛剤の投与で回復します。

ですが、前回お話ししたような「軟骨異栄養性犬種」ではグレード3~5というようなひどい症状を発症することも珍しくありません。

治療法につづく・・