町田市 谷口動物病院 犬猫専門の病院です
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脾臓の腫瘍
2011年12月24日 (土) | 編集 |
脾臓という臓器を御存知でしょうか?



肝臓や腎臓に比べれば、ちょっと存在感の薄い臓器ですが・・・


左わき腹の、胃のすぐ横にはりついている臓器です。


どんな働きがあるかというと・・・


免疫機能に関わりを持っていたり、古くなった血液を処理したり、血液を一時的に貯蔵したりという、血液系に関わる臓器です。


血液系に関わる臓器ですので、血液・血管系の腫瘍が発生しやすい部分です。



特に「血管肉腫」と呼ばれる悪性腫瘍が代表的。急速な増殖と、広範囲への転移を特徴とする腫瘍です。


その他にも、結節性過形成(簡単にいえば内臓にできたおでき)や血腫(大きな血豆みたいなものをイメージしてください)など良性のものもできます。


今までは、これらの腫瘍の早期発見は難しかったのですが、最近ではわんにゃんドックなどでの積極的な超音波検査でかなり早期に発見することが増えてきています。


20111223.jpg
直径1cmに満たない小さな腫瘤。ラブラドールレトリバー



20111224 (2)
ヨークシャーテリア



これらの腫瘍が「悪性なのか?」 「良性なのか?」ということは、超音波検査だけで確定することはできません。


摘出手術をおこなったり、皮膚の上から注射針や特殊な機材で腫瘍部分の細胞を採取して検査することになります。


ただ、この程度の小さな「しこり」の段階であれば、まずは定期的な経過観察で様子を見ます。


このまま特に大きさに変化が無ければ様子見で大丈夫ですし、急な大きさの変化があれば積極的な検査をおこないます。


20111224.jpg


こちらの症例は直径5cm近くとだいぶ大きな腫瘍です。


このくらいの大きさの腫瘍でも、必ずしも悪性とは限りません。


ただ、脾臓にできた腫瘍は、良性・悪性に関わらず、巨大化した時に突然大出血をおこして命にかかわることがあります。


そのため、ある程度の大きさのものは、積極的な切除を考えたほうが良いと思われます。


このワンちゃんも、腫瘍の中心よりやや下の部分に黒く抜けた部分がありますが、この部分はおそらく内出血をおこしたものと思われます。


これが、腫瘍内の出血であればおおごとになりませんが、腫瘍の外側に出血をすると大出血になることがあります。


私が獣医師になったばかりのころは、ようやく超音波検査が一般の獣医師にも浸透し始めたばかりの頃。


このように早い段階で内臓の腫瘍が見つかることはほとんどなく、巨大化した腫瘍がある日突然大出血をおこして、ショック状態で動物が担ぎ込まれることがほとんどでした。