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町田市 谷口動物病院 犬猫専門の病院です
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歯石クリーニング
2009年03月15日 (日) | 編集 |
2009/03/14

今日は先日わんにゃんドックをおこなったなぎさちゃんの歯科処置でした。

朝から入院していただいて、午前中のうちに術前検査と点滴をつなぐ処置をします。

術前検査

麻酔をかけての処置は昼におこないますが、その前から点滴をおこなうことで、体の血液循環の状態を良くします。
麻酔中は心臓をはじめとする内臓器に少なからず負担がかかります。

術前・術中の点滴をおこなうことで、循環器系への負担を和らげることができます。
また、麻酔中に問題が起こった場合も、点滴がつながっていればスムーズに処置・投薬がおこなえます。
当院では、すべての全身麻酔をおこなう処置において術前・術中の点滴をおこないます。

待機中

午前の診療が終わり、昼食をとったらいよいよ麻酔開始。
歯科処置をおこなうと周辺に歯石の破片や口の中の雑菌をばらまくことになるので、手術室ではなく処置室でおこないます。

麻酔導入開始

まず麻酔前投与薬として鎮静剤を投与し、酸素吸入を始めます。
5分ほどしてぼんやりしてきたところで導入麻酔として注射麻酔を投与。
投与後数分で眠ってしまうので、そこで気管チューブを気管に挿入して、ガス麻酔で維持麻酔をおこないます。

なぎさちゃんは体重1.80kgの小さな小さなヨーキーです。
この小さな体に麻酔をかけるのですから、投薬量・麻酔管理・術中の体温管理など細心の注意を払って進めていきます。(もちろん、もっと体の大きなワンちゃんでも同様です)

処置前
処置前の歯の状態。

茶色い歯石がゴッテリとついています。
唾液腺の開口部の位置関係で、歯石は特に奥歯につきやすいといわれています。
なので、飼い主様からすると前歯だけ見ていてまだまだきれいと思っていても、奥歯は結構ひどいということがよくあります。
なぎさちゃんも前歯よりも奥歯のほうが歯石が多く付いています。

スケーリング
スケーリング開始

超音波スケーラーで歯石を除去していきます。
人間の歯医者さんで歯石を取る時と同じ処置です。
なぎさちゃんは奥歯の裏側の歯石がとくにひどく、口が小さいのでなかなか手こずりました。

ポリッシング

歯石をすべて取り除いたらポリッシング。
歯の表面をツルツルに磨きあげます。
歯石を取った後の歯の表面は小さな傷がたくさん付いています。
表面が傷ついたままでは歯石がつきやすくなってしまい、せっかくの処置の効果も半減です。

処置後

処置後の歯の状態。
ツルツルのピカピカになりました。
約1時間で処置が終わりました。

ワンちゃんには42本(個体差あり)も歯があり(人間は28本+おやしらず4本)、歯石の付き方も人間とは比較にならないくらいのひどさです。

これをすべて完璧に磨きあげるには、最低でも1時間。
歯の状態がひどい子であれば、抜歯や歯周病治療も含めると2~3時間かかることもあります。
特に抜歯に時間がかかるのですが、ひどい症例では20本近くの歯を抜くこともあります。
避妊や去勢手術が20~30分(手術部位の毛刈りや消毒も入れると1時間弱)であることを考えると、かなりの長時間麻酔です。
骨折や腫瘍切除でも3時間はなかなかいきません。


処置終了後は酸素濃度・温度・湿度を調節したICUで過ごしてもらいます。

ICUにて

鎮静剤の作用でまだぼんやりしているなぎさちゃん。
おつかれさまでした。

この程度の歯科処置であれば麻酔からの回復具合に問題がなければ日帰りになります。

なぎさちゃんも夕方までICUで様子を見てから元気に退院していきました。

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