町田市 谷口動物病院 犬猫専門の病院です
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沈黙の臓器
2011年09月05日 (月) | 編集 |
「沈黙の臓器」という言葉を耳にされたことはございますでしょうか?



肝臓のことです。


肝臓は体内で代謝・排泄・解毒にかかわる重要な臓器で、再生力・予備能力が高いため、病気になってもかなり末期になるまで症状がでません。

裏を返せば、目に見える症状が出てから診断・治療をしても手遅れになることがほとんどなのです。


そのために、「沈黙の臓器」と呼ばれています。



この病院を開院してからもうすぐ3年ですが、ここ最近、つくづくこの事を思い知らされる症例が続いています。



こちらで開業してから、勤務医時代よりも積極的に超音波検査をおこなったり、わんにゃんドックで病気の早期発見に努めているのですが、そのおかげか、肝臓疾患を早期に発見することが非常に多くなっています。



20110905 (2)


上の写真は、歯科処置をおこなうために、麻酔前検査として血液検査をおこなった症例。
肝臓の数値に若干の異常あり。

元気食欲などまったく問題なく、肝臓の数値の上昇も軽度だったので、そのまま麻酔をかけることも可能な状態でしたが、念のために超音波で肝臓の状態を確認させていただくと・・・


肝臓中央部に直径2cmほどの腫瘍を発見。

その後の経過からすると、おそらく悪性腫瘍(つまりガン)。

超音波検査をおこなわなければ、確実に見落としています。そして、末期になって明らかな症状が出て初めて気がつくことになったでしょう。




20110905.jpg


こちらの症例は、わんにゃんドックで肝臓腫瘍(疑い)が見つかった症例。

この症例も、元気食欲などまったく問題なく、わんにゃんドックを受けていただけていなければ、まったく気がつかれなかった状態。


三角印で囲んだ部分が肝臓。その中の、丸で囲んだ部分、少し黒っぽく見える部分が腫瘍部分。


こちらも、悪性腫瘍(ガン)の疑いで、精密検査を大学病院に依頼する予定。


この二症例以外にも、多数の症例で、積極的な検診、超音波検査をおこなうことで肝臓腫瘍・肝臓病を早期発見することができています。



・・・ただ・・・


このように明らかな症状が出る前に発見できた症例でも、延命治療がやっとで、完治させることが難しいのが実情。



積極的な検査で早期発見できるようになったものの、まだまだ元気・食欲もまったく問題のないワンちゃん・ネコちゃんに、天寿を全うすることが難しいとお伝えしなければならないことがほとんど。


見た目にはまったく問題のない愛犬・愛猫を前にした飼い主様にとってはまさに「青天の霹靂」。


どうすれば、深刻な病状を正確にお伝えすることができるのか、いつも悩まされるのです。