町田市 谷口動物病院 犬猫専門の病院です
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乳歯抜歯 ②
2011年08月19日 (金) | 編集 |
さて、昨日の続き・・・




通常の抜歯方法では、エレベーターという細いノミ(大工道具の)ような器具を、歯と歯茎の隙間から差し込み、アゴの骨と歯根の間にある靱帯を断裂させて抜歯します。




20110819e.jpg
interzoo 小動物歯科より


前歯などの比較的抜歯しやすい歯であればこの方法で何ら問題はないのですが、犬歯のように歯根が頑丈な歯では、なかなかの重労働。


犬の犬歯は乳歯といえども、かなり根っこが頑丈なのです。


今回の超小型犬のようにアゴの骨が脆弱な症例な場合は、力のかかり具合によってはアゴの骨が折れてしまう危険もあります。


そこで・・・


周辺の歯茎を切開し、犬歯(乳歯)を支える歯槽骨(しそうこつ・アゴの骨の一部で歯を支える役目を持つ)をドリルで削る方法で抜歯します。


20110818co (5)
右側が歯茎を切開し、歯槽骨を削った状態。左に比べると、歯の根っこが見えているのがわかると思います。。




歯根を支える歯茎・歯槽骨の一部を外科的に排除することで、通常の抜歯よりもスムーズに歯を抜くことができます。


20110819e (2)




外科的抜歯と言います。


歯茎にメスを入れたり、アゴの骨の一部を削るので本人へのダメージが大きいように感じますが、むしろ、このほうが抜歯をする際にアゴの骨にかかる力も少なくて済みますし、抜歯にかかる時間も短くて済むのです。



結果、動物に対してのトータルの負担は軽くて済みますし、処置中のアゴの骨折の危険性も軽減できます。
私も、数年前までは外科的抜歯には抵抗があり、通常の方法で抜歯をしていましたが、外科的抜歯をおこなうようになってから、圧倒的に処置時間も早く、動物の痛みなども軽減されているように感じます。


抜歯後は、歯茎を縫い合わせてきちんと元通りに戻します。削った骨も、1カ月程度で元通りに再生しますので心配なし。




で、そうやって抜いた歯がこれ。




20110818co (3)


下あごの犬歯(乳歯)なのですが、根っこが非常に太くて長いのがわかると思います。



黄色矢印で示した部分をみると、根っこの長さと、下あごの厚みがほぼ同じ。


こんなに華奢なアゴの骨に、これだけがっちりした犬歯がはえているわけですから、これをほじりだそうというのはかなり大変なことがわかると思います。



アゴの骨よりも、犬歯のほうが丈夫なくらいですから、エレベータを差し込んでいるとアゴの骨が歪むのがわかるくらいです。


ちょっとでも無理な力かけると「こりゃ折れるな・・・」とひしひしと伝わってくる感じ。




そんなこんなで、全部で18本の乳歯抜歯でした。



20110818co (6)


左上の4本が犬歯の乳歯。(一本は抜歯前からもともと折れていたもの)
その右に並んでる細いのは前歯の乳歯。
下に並んでいるのが臼歯(奥歯)の乳歯。


こうやってみると、いかに犬歯が頑丈にできているかよくわかりますね。