町田市 谷口動物病院 犬猫専門の病院です
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術前検査にて・・・ ②
2011年07月08日 (金) | 編集 |
さて、去勢手術のための術前検査で心拡大が疑われたワンちゃん。



超音波検査で詳しく心臓を調べた結果・・・



20110708MR


「僧帽弁閉鎖不全」と、それによる血液逆流が観察されました。

右側の画像の青く色がついている部分が逆流した血液。
レントゲンと心電図で心拡大の所見がみられたのは、この血液逆流のせいです。


僧帽弁閉鎖不全はいままでも何度もとりあげてきましたが、小型犬に多くみられる心臓疾患。


ほとんどは、7~8歳以上の高齢犬にみられる病気ですが、キャバリアは遺伝的にこの僧帽弁閉鎖不全になりやすいといわれており、今回のように1歳程度と若い年齢でも発症することが知られています。


さて、今回見つかった「僧帽弁閉鎖不全とそれによる血液逆流」ですが・・・


実際には血液逆流はごくわずかで、現在のところ、心臓機能への影響は最小限と判断しました。


ですので、麻酔をかけての手術に関しては、正常犬とほとんどかわらないレベルで行えると判断。


ただし、今後、年齢を重ねるとともに悪化していくはずですので、数か月に一度の定期健診が必要です。


今回の症例・・・


もし、血液検査と身体検査のみで手術に踏み切っていたとしたら、間違いなく見逃していたでしょう。


実際には、見逃していたとしても、現在の状況では麻酔をかけることの危険性というのは正常犬と大差ありませんので、大きな問題にはなりません。


ですが、それでは今回のように心臓病を早期発見することができません。


ワンちゃんが数年後に心雑音など明らかな症状を示すようになるまで、飼い主様も我々獣医師も何も知らずに、何も手を打つことなく過ごすことになってしまいます。



それではいかんと思うのです。



麻酔をかけて手術をおこなうという目的は達成されるかもしれませんが、「心臓に異常があることを知った上で手術をおこなう」のと「心臓に異常があることは知らなかったが、結果的に大丈夫だった」のでは雲泥の差があると思うのです。


それに、今回、心臓の異常を知ることができたおかげで、このワンちゃんについては心臓病の症状が出る前から治療を開始することができました。
これは、このワンちゃんと飼い主様の将来を考えた時に、非常に重要なことになってきます。



そんなわけで、避妊手術・去勢手術のように一見すると健康状態に問題のないような症例の手術でも、当院では血液検査・心電図・レントゲンとしっかりと検査をさせていただくのあります。


費用についてはその分多くかかりますが、最終的にはそのほうがワンちゃん・ネコちゃん・飼い主様にとって安心・安全だと考えるのであります。