町田市 谷口動物病院 犬猫専門の病院です
  • 07«
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5
  • 6
  • 7
  • 8
  • 9
  • 10
  • 11
  • 12
  • 13
  • 14
  • 15
  • 16
  • 17
  • 18
  • 19
  • 20
  • 21
  • 22
  • 23
  • 24
  • 25
  • 26
  • 27
  • 28
  • 29
  • 30
  • 31
  • »09
術前検査にて・・・ ①
2011年07月07日 (木) | 編集 |
当院では、避妊手術・去勢手術も含めて、すべての手術の前に、血液検査・胸部レントゲン・心電図による術前検査をおこなっています。



避妊・去勢手術のように、若くて「見た目上健康」な動物におこなう手術の場合、身体検査と血液検査のみで、レントゲンや心電図までは必要ないとする考え方もあります。


当然、そのほうが飼い主様の費用面での負担も軽くなります。


ですが、生き物の体というのは複雑なもので、血液検査と身体検査だけでは見逃してしまう病気はたくさんあります。


たとえば、この症例。



生後10カ月で去勢手術を希望されているワンちゃん。元気食欲も全く問題なし。




血液検査と身体検査ではまったく異常はなかったのですが、胸部レントゲンと心電図で気になる点が・・・



20110707VHS.jpg


心臓の大きさを客観的に評価する方法の一つに「VHS」という計測があります。


これは、心臓の大きさが「背骨」の大きさ何個分かというのを計測する方法。


写真のように、心臓のタテ・ヨコの長さを、それぞれ背骨の数何個分か計測します。


写真では、赤で示した心臓のタテの長さが背骨5.5~5.75個分。

黄色で示した心臓のヨコの長さが背骨5~5.25個分。

この両方の数値を足すと、心臓の大きさは背骨10.5~11個分。


正常値は背骨10.5個分まで。それ以上は心拡大の疑いとなります。


次に心電図。


20110707ECG.jpg

心電図では不整脈の有無や、心電図の各波形が正常かどうかを診ていきますが・・・


今回はR波と呼ばれる波形に異常値。


手書きで「R」と書いてある部分の高さ。正常だと小型犬で25mmまで。大型犬で30mmまで。これをこえると心拡大の疑いとなります。



この症例のR波の高さは28.9mm。ちなみにこのワンちゃんはキャバリアですから小型犬。


20110707ECG2.jpg


レントゲンに続き、心電図でも心拡大を疑う所見。





これが血液検査や身体検査だけではわからない異常の一つ。


聴診器で心臓の音を聞いても異常はない。


特に、ワンちゃんも元気・食欲に問題はなく、呼吸困難や咳など心臓病を疑うような症状もない。


でも、レントゲンと心電図には異常が出ている。



これは由々しき問題。


このまま麻酔をかけて手術をするわけにはいきません。


後日改めて心臓超音波検査をおこない、精密検査をすることになりました。



つづく・・・