町田市 谷口動物病院 犬猫専門の病院です
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心房破裂 ③
2011年06月12日 (日) | 編集 |
やっぱり、5月を過ぎると狂犬病のワクチン接種やフィラリア予防などでワンちゃんの来院が増えるので、ブログも更新が滞り気味・・・


さて、「心タンポナーデ」のワンちゃんの続き。



万全の態勢を整えて、「心膜液」の除去をおこないます。



超音波画像で確認した、心膜・心臓までの距離をイメージしつつ、注射針を挿入します。


20110607st.jpg


まず肋骨の位置を確認し、肋骨付近の血管を傷つけないように、肋骨と肋骨の間のちょうど真中に針を刺します。
皮膚と肋骨の間の筋肉を抜けて数ミリ針を進めると、かすかに「プツッ」と心膜を突き抜ける感触があります。
そこからさらに3mmほど針を進めて・・・

針につないだ注射ポンプで「心膜液」を吸い出すと・・・



20110607.jpg


出ました。これが心臓周囲に溜まっていた「心膜液」。約5cc。



20110607st3.jpg
「心膜液」を除去した後の超音波画像。わずかに「心膜液」が残っています。
一番上の画像と比べると、右心房の圧迫がなくなっていることが良くわかります。






「心膜液」の性質は、原因によって様々です。


淡い透明なイエローの液体のこともあれば、このように真っ赤な液体のこともあります。


この液体の性質を分析してみると、ほぼ「血液」と同じ数値になりました。



つまり、この液体は「出血」によって心臓の周囲にたまったと考えられるのです。



「出血」による「心膜液貯留」の原因として一般的なのが「心臓腫瘍」。



その他には、「心房破裂」が考えられます。


「心膜液」を除去し、「心タンポナーデ」による危機的な状況を脱した後は、なぜ「心膜液」が溜まったのか、原因を見つけ、それに対する治療をおこなわなくてはいけません。



つづく・・・