町田市 谷口動物病院 犬猫専門の病院です
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心臓腫瘍③
2011年04月28日 (木) | 編集 |
さて、痛み止めの投与で一時良くなったかに見えたワンちゃん・・・


3月10日頃から再び元気・食欲が低下し、吐いたりしているとのお電話。

いまだ飼い主様の体調がすぐれず、ご来院が難しいため、吐き気が続くようならまたご連絡いただくことに。



そして、3月12日。
やはり、元気・食欲は改善せず。吐き気もおさまらない。
息も粗くなっているようだとのことで、飼い主様のお嬢様が急きょワンちゃんを連れてご来院になりました。


血液検査をおこなうと、2月28日の時点では認められなかった貧血が発症していました。

さらに、呼吸状態がおかしいため、胸部レントゲンを撮影すると・・・




THx.jpg


心臓の形が変形し、肺に多数の転移性腫瘍と思われる小さな白い影が・・・!



変形した心臓を超音波検査機で調べると・・・

LVWmass.jpg
      心臓腫瘍               正常な心臓

左心室(LV)の心室壁に異常な膨らみが・・・心臓腫瘍のようです。
右の正常な超音波像と比べると良くお分かりいただけると思います。



この腫瘍のせいで心臓の形が変形しているようです。


そして、この腫瘍が肺に転移し、それによって呼吸困難が生じていると考えられます。


この心臓の腫瘍がどういったものか詳しく調べるには、腫瘍の一部を採取して検査する必要がありますが、心臓内部では当院では手が出ません。

川崎の高度医療センターにも診察を依頼したのですが、やはり心臓の腫瘍にアプローチすることは難しく、効果的な治療法がないということでした。


わずか半年ほど前にわんにゃんドックをうけていただき、なおかつ、その時期に全身のCT撮影をおこなって問題が無かったのに・・・と、飼い主様も我々も信じられない思いでした。



残念な事に、この腫瘍の進行は非常に早く、このワンちゃんは、3月21日に腫瘍の圧迫により致命的な心不全が発生。
飼い主様に看取られながら息を引き取りました。



昨年10月にわんにゃんドックをうけていただいてからわずか5カ月。

飼い主様が「なんとなくテンションが低いんだよね~」と違和感を感じられてから、わずか2カ月。

明らかな食欲不振が認められてからわずか3週間。


どこかの時点で、もっと早く診断し、助けてあげることができなかったか・・・?


とはいえ、「ちょっとテンション低いかな・・・」というくらいで、心臓の超音波検査までやるのか??


早期に発見できたとしても、心臓内部の腫瘍に効果的な治療ができたのか??



自覚症状を訴えることのできない動物相手の診療の難しさと、悪性腫瘍の進行の早さを改めて思い知らされた症例でした・・・