町田市 谷口動物病院 犬猫専門の病院です
心房中隔欠損症 ②
2011年04月09日 (土) | 編集 |
さて、昨日の続き・・・



左右の心房を隔てる、心房中隔に穴があいているワンちゃん。


2011ASD.jpg


御覧のように、左心房(LA)から右心房(RA)に血液が流れてしまっています。




心房中隔欠損症になると、下図のように、血液が穴をとおって左心房→右心房に流入します。


2011ASD負荷


右心房には、もともと大静脈から血液が流れてきます。


左心房から流れてきた血液と、大静脈から流入する血液が合わさることで、右心房・右心室には正常よりも多くの血液が流れてくることになります。


そして、その多量の血液は肺動脈から肺へと流れていきます。



通常よりも多くの血液を処理しなければならない右心室・肺血管には大きな負荷が加わり、時間の経過とともに肺高血圧症へと移行します。


肺高血圧症が進行すると、呼吸が荒くなったり、咳がでたり、ひどい時は失神をおこすこともあります。


多くの心臓病は、聴診をすると「心雑音」が聞こえるので、身体検査で異常を見つけやすいのですが、この「心房中隔欠損症」は「雑音」が発生しないことも多いため、診断が難しい心臓病の一つです。



治療法は、穴の大きさにあわせて選択します。


穴が大きな症例では、外科的に穴をふさぐことを検討します。


穴が中程度であれば内科的な治療で十分維持することもできます。


穴が小さな症例では無治療でもまったく問題ないこともあります。



今回の症例は、穴は2mm弱と小さいものの、右心室に負担がかかっている様子が観察され、咳などの症状もあらわれていたので内科治療を始めました。