町田市 谷口動物病院 犬猫専門の病院です
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腎臓の低形成
2011年04月02日 (土) | 編集 |
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こちらの症例、身体検査でたまたま気がついたのですが・・・

腎臓が一つ足りません。

2011kid.jpg


腎臓は左右あわせて二つあるはずなのですが・・・

黄色で囲んだところが左の腎臓。反対側にも同じように腎臓があるはずなのですが、レントゲンにハッキリと写っていません。


たまたま健康診断で触診をしたときに、右側の腎臓を触ることができなかったので、念のためにレントゲンを撮った症例です。

さらに詳しく調べるために超音波検査をおこないます。


2011Lkid.jpg


左の腎臓は問題ありません。


つづいて右を見てみると・・・



2011Rkid.jpg

右側の腎臓があるべき位置には、黒く内部に液体をためた、直径2cm弱の袋状のものがあるだけです。


右側の腎臓が正常に発達せずに、内部に体液をためた小さな袋として残ったようです。

先天性の腎臓低形成です。



この症例は現在、まったく症状はなく、元気な状態ですが、いずれ早い時期に腎不全になると考えられます。



腎臓というのは、体内の老廃物をろ過して、おしっことして排泄するフィルターとして働いています。


そのため、老化とともに腎臓のフィルター部分(非常に細い血管と尿管でできています)が目詰まりをおこして、徐々に機能が失われていきます。


左右の腎臓をあわせて100%のフィルター機能だとすると、年齢とともに、もしくは何らかの腎臓病でフィルター機能は徐々に低下していき、フィルター機能が残り30%程度になると腎不全として明らかな症状がでてきます。



片側の腎臓が低形成だということは、生まれた時点で腎臓のフィルター機能が50%しかないということになります。


当然、正常なネコちゃんに比べると、早い段階で腎機能が低下して腎不全になってしまいます。



それでも、早い段階で腎臓の低形成を診断することができれば、その分、早いうちから腎臓を保護する治療を始めることができるので、腎不全の進行を遅らせることができます。


このネコちゃんは2歳の時に腎臓の低形成と診断し、腎臓保護療法を開始。

現在、8歳ですが、今のところ腎臓の機能は十分に保っているようです。



ところで、右側の腎臓ですが、どの症例でも触れるわけではありません。

もともと、左の腎臓に比べて、右側の腎臓は腹部の奥まった位置にあるので、太ってるネコちゃんなんかでは正常でも触ることができなかったりします。

この症例は、かなりスリムな体型にも関わらず、右の腎臓がまったく触れないので異常に気付くことができました。