町田市 谷口動物病院 犬猫専門の病院です
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膝蓋骨脱臼 ③
2010年10月26日 (火) | 編集 |
膝蓋骨脱臼

さて、今回は膝蓋骨脱臼の治療法についてです。

前回述べたように、膝蓋骨脱臼(先天性の場合)は膝周囲の骨や筋肉など複数の奇形・ゆがみの結果として発生します。

ですので、単に外れた膝蓋骨(ひざの皿)をはめ込むだけでは解決しません。

根本的に治療するには外科手術が必要です。

歪んだ靱帯の付着部を移動したり、筋肉を縫いよせたり、骨を削って膝蓋骨のはまり具合を調節したりと様々な手法を組み合わせて、骨格全体のゆがみを矯正する必要があります。

なかなか大変な手術ですので、すべての膝蓋骨脱臼の症例でおこなうわけではありません。

前々回に膝蓋骨脱臼の重症度をグレード1?4に分類しましたが、グレード1もしくは2くらいであれば手術をせずに体重制限や運動制限でうまく付き合っていくことができます。

また、グレード3もしくは4でも、手術をするかどうかは飼い主様次第というところがあります。
歩き方はおかしくても日常生活に支障がない場合は手術せずに様子を見ることは可能です。

ようは、飼い主様が「多少不自由そうだけど、歩けてるし痛がる様子がないなら、痛い思いして手術しなくてもいいかな」と思うか、「足が曲がって不自由なのはかわいそう。手術はつらいかもしれないけど、足をきちんと治してあげたい」と思われるかです。

手術をするにしても、手術をせずに様子を見るにしても、体重管理と運動制限が非常に重要になります。

肥満による膝関節への負担の増加は膝蓋骨脱臼を悪化させます。
また、過激な運動による膝関節への負担も同様です。

さらに、膝蓋骨脱臼を起こすワンちゃんでは、膝関節が不安定になります。
そのため、正常なワンちゃんに比べて膝周囲の靱帯を痛めやすくなってしまいます。

若いうちはいいのですが、ある程度年をとってきて、肥満や過激な運動で膝に負担をかけてしまい、膝の靱帯を切ってしまうということがよくあるのです。

これは、手術でゆがみを矯正したワンちゃんにも言えることです。
いくら手術で強制したとしても、100%正常な状態に戻るわけではありません。
体重による負担や運動による負担が原因で、症状が再発することが十分あり得るのです。

前回も述べたように、この膝蓋骨脱臼は小型犬の半数近くに見られる疾患です。
なるべく多くの小型犬の飼い主様にこの疾患について知っていただき、普段から体重や運動について注意していただければと思います。