FC2ブログ
町田市 谷口動物病院 犬猫専門の病院です
  • 09«
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5
  • 6
  • 7
  • 8
  • 9
  • 10
  • 11
  • 12
  • 13
  • 14
  • 15
  • 16
  • 17
  • 18
  • 19
  • 20
  • 21
  • 22
  • 23
  • 24
  • 25
  • 26
  • 27
  • 28
  • 29
  • 30
  • 31
  • »11
動物の認知障害(痴呆)
2009年02月02日 (月) | 編集 |
先日の漫画家たらさわみちさんとの対談で話題に上ったのが、動物の認知障害(痴呆)についてでした。

siba2.jpg

ある研究では1992年頃より症例が増え始め、特に1999年から2000年にかけて急増しているという報告があります。

実際に診療していても、ここ数年でワンちゃんの認知症(痴呆)についてご質問いただくケース、もしくは実際に認知症(痴呆)と診断するケースは増えてきているように感じます。
認知症(痴呆)は動物の老化現象にともなう脳の障害が原因と考えられています。

neko1.jpg

動物の脳は、老化とともに老人斑と呼ばれる「脳のシミ」ができたり、脳血管にアミロイド沈着と呼ばれる変化が起きて、脳血管がもろく、出血しやすくなったりしていきます。
そういった変化から、脳に障害がおこり、認知症(痴呆)の症状が発症するのではないかと考えられています。

ここ近年、動物の認知症が問題になっているのは、やはり動物の高齢化と関連があるのでしょう。
昔に比べて脳障害が出るほど(それだけ老化が進むほど)に長生きをするようになったということです。

さて、認知症になるとどういう症状がでるのか?

1.ぼんやりすることが多い
2.夜鳴きをするようになる
3.トボトボと足どりがおぼつかなくなる
4.異常な食欲
5.部屋の角でうまく方向転換ができない

などがあります。
実際に飼い主様が問題視して病院にご相談にいらっしゃるのは「夜鳴き」についてが多いようです。

認知症は上記のように、脳の老化によるものと考えられますので、基本的には治療のしようがありません。

ただ、認知症を予防する、改善するのに有効と考えられることはいくつかございます。

まずは、日常生活の送り方。

毎日の散歩によって、環境刺激を与え、適度な運動をおこなうことは、認知症の予防・改善につながると考えられています。
散歩も、できれば朝夕2回。ゆっくりと時間をかけて、いろんな人・動物と接したりすることが脳の活性化につながるでしょう。

siba6.jpg

散歩以外にもスキンシップをとる時間、話しかける時間がたくさん持てればなお良いのではないでしょうか。

また、DHAやEPAといった脂肪酸を含んだサプリメントも効果があると考えられています。(青魚に多く含まれる成分として有名ですね)

いずれにせよ、確実な効果が期待できるわけではありませんので、動物が年をとっていくということは、そういうことだという認識と覚悟は必要なのではないでしょうか。

ところで、この認知症ですが、はっきりした理由はわかりませんが日本犬(柴犬系)に多くみられるといわれています。

siba3.jpg


実際に、今まで診察した認知症の90%以上は柴犬もしくは柴系雑種のワンちゃんです。
ある大学の先生が冗談半分に、「日本の犬は昔は魚をよく食べていた。それが、近年、犬の食生活も欧米化してきたために、青魚が足らんのじゃないか?」とおっしゃっていました。
それが本当の原因かどうかはわかりませんが、ちょっと納得してしまいますよね。

ほかの犬種でもある程度の症状は出るようですが、特に柴系のワンちゃんは症状の程度がひどいようです。

ところで、猫の認知症はどうでしょうか?

ある研究では、犬と猫の脳の老化スピードをくらべると、猫のほうが老化が緩やかだという結果が出たそうです。
実際に診療していても、ネコちゃんの認知症はワンちゃんにくらべるとだいぶ少ないように感じます。

ネコちゃんのほうが魚を食べる機会が多いからでしょうか・・・?