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町田市 谷口動物病院 犬猫専門の病院です
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口腔内腫瘍 ②
2010年08月08日 (日) | 編集 |
さて、セイシェルちゃんの口腔内腫瘍。
検査の結果・・・

エナメル上皮腫=棘細胞性エプリス

エナメル上皮腫(=棘細胞性エプリス)ということでした。

昨日も書きましたが、ワンちゃんの口腔内腫瘍では悪性のものが多いのですが、今回のエナメル上皮腫(=棘細胞性エプリス)は良性腫瘍に分類されます。

ただし、この腫瘍は良性とはいえ、歯の根元から発生し、周辺の骨組織に浸潤するようにして増殖する性質があります。
ですので、盛り上がった歯ぐきの部分を切り取っただけでは治らず、高い確率で再発がみられます。
そのため完治を望む場合、悪性腫瘍同様に顎の骨ごと大きく切除する必要があると考えられています。

では、セイシェルちゃんの場合はどうするのか?
改めて手術をおこなうのか?(ちなみに、下顎の骨を取り除くような手術をおこなう場合は大学病院にお願いします)

ポイントになるのはセイシェルちゃんの年齢(寿命)と、腫瘍の再発までの期間、そして再発した腫瘍が進行するスピードです。

エナメル上皮腫(=棘細胞性エプリス)は分類上は良性腫瘍なので転移したり、急速に増大することはないと考えられます。
ただし、顎の骨を侵すまでに増大すると、食事がうまくできなくなったりなどの問題がでてきます。
そうなってからでは手術で切り取ること難しくなります。

セイシェルちゃんはすでに11歳と、ラブラドールではかなり高齢になります。
一般的なラブラドールの寿命が12?15歳程度であることを考えると、腫瘍が再発したとしても、天寿を全うするまでに大きな問題が起きる可能性は低いと考えられます。
ただ、少しづつではあるけども再び増大していく可能性は高いので、ある程度大きくなったらまた部分的に切除して、ご飯の飲み込みなどに問題が出ないようにしていく必要はあります。
この辺りの判断は、私ひとりでは不安だったので、検査所の先生にも電話で相談しました。
こういったときに、組織検査の専門家に相談できるというのはとても心強いことです。

腫瘍を完治させることのみを目標にすれば、顎の骨ごと切除したほうが良いのですが、そうするとセイシェルちゃんへの負担も大きいですし、見た目の変化などのデメリットが大きすぎます。

これがもっと若いワンちゃんであれば、後々の再発・増大の問題を避けるために積極的な手術が勧められるかもしれませんが、セイシェルちゃんの場合は、飼い主様とのご相談して、これ以上の拡大手術はおこなわないこととしました。

口腔内の腫瘍は、悪性であることが多く、また頭部という位置から完全切除が難しく、再発や転移が問題になります。
ですので、できる限り早い段階で診断し、治療を開始したいのですが・・・
口の中というのは早期発見が難しい場所でもあります。

口の中の腫瘍だけでなく、皮膚にできた腫瘍でも、脇の下とか内股などの腫瘍は見過ごされることが多くあります。

少なくとも月に一度くらいは、口の中をみたり、入念に体を触っていただくと良いと思います。