町田市 谷口動物病院 犬猫専門の病院です
口腔内腫瘍 ①
2010年08月07日 (土) | 編集 |
黒ラブのセイシェルちゃん。
11歳になる女の子です。

お口の中に「できもの」ができたとのことでご来院いただきました。
左下の奥歯の内側に腫瘍があります。

舌の陰に隠れていて、普通に口の中を見ただけではわかりませんでした。
飼い主様も、たまたまセイシェルちゃんが大あくびした時に気がつかれたそうです。
実際にどのくらいの大きさの腫瘍なのかは、麻酔をかけるまで正確に把握することはできませんでした。

口腔内腫瘤

犬の口腔内にできる腫瘍は悪性のものが多く、「メラノーマ」「扁平上皮癌」「線維肉腫」といった腫瘍が一般的です。
いずれも局所浸潤性(周辺の組織を破壊しながら増殖する)が強かったり、転移する可能性が高かったりと、発生すると命にかかわる可能性の高い腫瘍です。

良性の腫瘍はエプリスと呼ばれ、「線維性エプリス」「骨形成性エプリス」「棘細胞性エプリス」といった3つの種類に分類されます。

口の中に悪性腫瘍ができた場合、見た目に盛り上がっている部分だけを切除して治ることはほとんどありません。
局所浸潤性といって、周辺の組織にしみ込むように広がる性質が強いため、顎の骨ごとごっそりと取り除くような手術が必要になることがほとんどです。
もしくは、放射線治療などを組み合わせる必要があります。

今回のセイシェルちゃんの場合も、悪性だった場合は左下顎の骨を取り除く手術が必要になるかもしれません。

そこで、まずは腫瘍が良性か悪性か? 悪性だとしたらどういうタイプの腫瘍か? 顎の骨を切除するような治療が必要なのか? そういったことを調べるために、とりあえず見た目でわかる範囲の腫瘍を切除し、検査所に送ることにしました。

切除後

盛り上がった腫瘍の部分を切除しました。
事前のレントゲン検査などでは顎の骨に腫瘍が広がっている様子は観察されませんでしたので、良性の腫瘍であればこれで治療終了ということになります。

ただ、腫瘍が骨にまで広がっているかどうかは、レントゲン検査で100%わかるわけではないので、検査の結果が待たれます。

つづく・・・