町田市 谷口動物病院 犬猫専門の病院です
  • 07«
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5
  • 6
  • 7
  • 8
  • 9
  • 10
  • 11
  • 12
  • 13
  • 14
  • 15
  • 16
  • 17
  • 18
  • 19
  • 20
  • 21
  • 22
  • 23
  • 24
  • 25
  • 26
  • 27
  • 28
  • 29
  • 30
  • 31
  • »09
ふくふくじん
2010年07月03日 (土) | 編集 |
「ふくふくじん」というと何だかおめでたい神様のお名前に聞こえますが、漢字で書くと「副副腎」と書きます。

副腎というのは左右の腎臓の側にある臓器です。大きさ数mmから1cm弱の小さな臓器です。
その副腎が正常とは違う場所にも発生することがあります。
胎児が成長する過程でたまたま起こるのですが、この異所性に発生する副腎組織の事を「副 副腎」と呼ぶのです。

なんで「副副腎」のお話をするかというと・・・

副副腎

先日、子宮蓄膿症で手術したネコちゃんでこの「副副腎」が認められたのです。

写真のように、卵巣につながる血管(卵巣動静脈)の表面にクリーム色をした楕円形の組織が発生しています。
これが「副副腎」です。

実は、手術の時点ではこれが「副副腎」だとはわかりません。

このような組織は、正常な卵巣動静脈の表面にはありませんので、何かしらの異常・奇形であることはわかりますが、その正体を知るには検査所での精密検査が必要です。

はじめは卵巣のすぐそばであることから、卵巣が異所性(正常とは違う場所)に発生したのでは? と疑いました。
先日も書いたように、一歳にならないネコちゃんでの子宮蓄膿症が非常に珍しいため、「異所性に発生した卵巣組織が何か関係しているのでは?」と考えたのです。

ですが、結果的には異所性の副腎で、子宮蓄膿症との関連はないだろうということでした。

いずれにせよ珍しいことには変わりありません。

ちなみに、この異所性に発生した「副副腎」は切除してしまっても問題はありません。
そのまま残しておいても問題になることはないと思われます。

異所性の卵巣の場合は、取り残すと「避妊手術をしたのに発情する」ということが起きます。
正常な位置にある卵巣を取り除いても異所性の卵巣が機能するために発情期が来てしまうのです。
もちろん子宮は取ってあるので妊娠はしませんが・・・

ただ、今回のようにわかりやすい場所にあればいいですが、そうでなければ通常の避妊手術の時に見つけるのは困難です。