町田市 谷口動物病院 犬猫専門の病院です
  • 07«
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5
  • 6
  • 7
  • 8
  • 9
  • 10
  • 11
  • 12
  • 13
  • 14
  • 15
  • 16
  • 17
  • 18
  • 19
  • 20
  • 21
  • 22
  • 23
  • 24
  • 25
  • 26
  • 27
  • 28
  • 29
  • 30
  • 31
  • »09
ロンちゃん ①
2010年05月14日 (金) | 編集 |
先日、長く通院中だったワンちゃんが亡くなりました。

ロンちゃんという、ビーグル犬でまだ10歳の男の子でした。

前立腺がんの全身転移による衰弱死でした・・・

ロンちゃんが当院にはじめていらっしゃったのは今年の1月8日でした。
その時は、お尻の周りを触ろうとすると痛がるが原因が分からないとのことで来院されました。
また、おしっこをタラタラと漏らすことがあるというのも気になさっていました。

そもそもロンちゃんが前立腺がんを患ったのは昨年の9月頃だったそうです。

別の動物病院さんで診察を受け、大学病院でも精密検査を受けたそうです。

当時はかなり衰弱し、大学でも肺および肝臓への転移の疑いがあるといわれ、積極的な治療はおこなわず、緩和療法をおこなっていたそうです。

飼い主様も一度は別れを覚悟するくらいの状態だったそうです。

ですが、その後奇跡的に回復し、当院にいらっしゃった時にはまったくガンを患っていた様子など感じられず、私も本当にガンだったの?と疑ってしまいました。

通常、肺転移をおこすような前立腺がんから緩和治療のみで回復するなど考えれられないことです。

ですので、失礼ながら飼い主様と大学の間で話がうまくかみ合わずに、どこかで診断についての話が食い違ってるのかな?と思っていました。

そのくらい奇跡的な回復だったのです。

1月8日の診察ではお尻周りの痛みと尿漏れが主訴でしたので、特に腰・お尻周りの状態に注意して診察させていただきました。

結果、腰骨付近を圧迫すると痛がるような様子が観察されましたので、「椎間板ヘルニアによる腰の痛み」と仮診断し、詳しく検査するためにレントゲン撮影をご提案しました。

同時に、もし本当に前立腺がんが過去にあったのなら、その再発による前立腺周囲の痛みという可能性も考えなければいけません。
前立腺は膀胱の付け根にあるので、痛みがある場合はお尻や腰の痛みと区別がつきにくいのです。

そこで、前立腺および腹部内臓器の超音波検査、胸のレントゲン撮影(本当に転移があったの? 本当に治ったの?という事の確認)をさせていただくことになりました。

前立腺
前立腺の超音波画像

結果、肺のレントゲンには全く異常は認められず、前立腺はもとより、肝臓や腎臓など腹部内臓器にも全く異常は認められませんでした。

本当に前立腺がんと肺転移・肝臓転移があったのなら、奇跡が起こったとしか考えられません。


飼い主様には「過去に何があったかは私には正確に知る術はないですが、少なくとも現在は前立腺がんや肺転移の様子は観察されない」とお話しし、可能であれば当時の大学の担当医の先生に当時の状況を確認していただくようにお話ししました。

そして、お尻周りを痛がることについては、ビーグルという犬種と年齢からすると椎間板ヘルニアなどによる腰部の神経痛が疑われることをお話し、痛み止めと神経保護のためのビタミン剤を投与して経過観察することにしたのです。

また、おしっこについては尿検査で尿石が認められたため、尿石による膀胱炎の可能性を考え、そちらの治療をおこなうこととしました。

・・・で初めの1週間ほどは痛みの様子も改善し治療がうまく進んでいるようでしたが・・・

実はこの後からロンちゃんの壮絶な闘病が始まるのです・・・つづく