町田市 谷口動物病院 犬猫専門の病院です
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キシリトールにご注意
2008年12月21日 (日) | 編集 |
今日は身近な中毒の危険についてです。
ペットの中毒で身近なものとしてはチョコレート中毒やたまねぎ中毒があります。

キシリトールとチョコ

これらについてはご存知の方も多いと思います。
チョコレート中毒は、チョコレートに含まれるテオブロミンという成分によって、嘔吐や下痢、神経症状が引き起こされます。

たまねぎ中毒では、赤色尿(血尿のようなもの)、貧血といった症状が引き起こされます。
たまねぎのなかの「アリルプロピルジスルファイド」という成分が原因といわれています。

チョコレートは、飼い主様があげるつもりがなくても、留守番中に盗み食いをするケースというのが良くあります。
たまねぎに関しては、たまねぎをそのまま食べるよりは、ハンバーグやすきやきを食べてしまったというケースがほとんどですね。
特に、アリルプロピルジスルファイドはたまねぎ以外にネギ・ニラ・ニンニクなどにも含まれるので注意が必要です。

この二つの中毒に関してはかなり知れ渡っていますが、いまだ飼い主様に十分に知れ渡っていないのがキシリトール中毒です。



ここ最近は、ペットの情報誌などにもとり上げられることが増えてきたのですこしづつ認知されてきているようですが、まだまだご存じない方が多いのが現状のようです。

キシリトールは人間では、カロリーが砂糖より少なく、虫歯の原因になりにくい甘味料ということでガムによく含まれているのはご存知のとおりです。

そのため、ペットショップではワンちゃん用のお菓子類にも含まれているケースがあります。
最近はさすがに減ってきたようですが、少し前までは歯磨きガムなどに含まれているものを見かけることがありました。

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じつは犬にとってはキシリトールは危険な物質なのです。
キシリトールを摂取した場合の体の反応が人間とはことなり、低血糖を引き起こしたり、重篤な肝障害を起こすことがあるといわれています。

実際に私も5年ほど前にキシリトール中毒の症例を経験したことがあります。
ミニチュア・ダックスで、たしか1歳くらいの子だったと思います。
キシリトールガムを盗み食いした後にぐったりして体調が悪いとのことで来院されました。

血液検査をすると肝臓の数値に異常がでており、重度の肝障害が起こっていました。
緊急入院し、たしか1週間?10日くらいは入院していたと思います。

一応、事なきを得て、今も元気にしていますが、命の危険もありえる状態だったのを記憶しています。
当時は、キシリトール中毒についての情報はほとんどなく、我々もキシリトールガムでなぜこんな症状がでるのかまったく理解できない状態でした。

近年、ペットを家族の一員として室内で飼育することが一般的になり、飼い主様とペットの関係も、「ペット」ではなく「家族」というのが当たり前になってきています。
そういう私も猫を飼っていますが、ペットではなく「娘」だと思っています。

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そうやって動物に愛情をそそぎ、家族同様に接するのはとても良いことだと思いますが、ワンちゃん・ネコちゃんは「家族」であっても、「人間」ではないということを忘れないことが大切です。

ワンちゃん・ネコちゃん用のおせち料理やケーキ類、オヤツやサプリメントが氾濫している昨今ですが、それが果たしてワンちゃん・ネコちゃんの健康にとって問題ないものなのか?

食べ物そのものには害がなくても、食べなれないものを食べて下痢や嘔吐をすることもあります。
必要以上にオヤツを与えすぎて肥満・糖尿病の一因となることも実際に起こっています。

レジに持っていく前にちょっと立ち止まって考えてみていただきたいものです。

よく診察のときにお話しするのですが、どんなにかわいい家族の一員でも、ワンちゃん・ネコちゃんと我々人間はまったく別の種族なのです。

体の特性・性質がまったく違うことを理解した上で接することが、その動物の健康を維持し、お互い幸せに暮らす為には重要になってくるのではないでしょうか?
そして、そこまで考えて接することが本当の愛情なのではないかと私は考えていますが、皆様はいかがでしょうか?