町田市 谷口動物病院 犬猫専門の病院です
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口が痛いみたい 3 (術後)
2010年01月16日 (土) | 編集 |
さて口の中に腫瘍ができたネコちゃんですが、前回も記載したように、術後に大きく体調を崩してしまいました。

17歳という年齢と、数カ月にわたるお口の痛みで十分に食事をとることができず、体が弱り切っていた中での手術でした。
また、あごの腫瘍の部分だけでなく、歯周病もかなりひどい状態だったので麻酔時間も長引いてしまいました。
手術自体はうまくいったのですが、やはり体への負担が大きかったようです。

うまくいけば一泊の入院でお返しできると思っていたのですが、一週間も入院することになってしまいました。
もちろん、本人の年齢・体調からそういった危険性があることもご理解いただいたうえでの手術だったのですが、飼い主様にはずいぶんとご心配をおかけしてしまいました。

リハビリ
リハビリの様子

そして、この術後の体調悪化がきっかけで一時的に手足がこわばり、筋力が弱ってしまい歩けなくなってしまいました。
手術からたった2日で、すっかり足腰が弱ってしまったのです。
老齢の大型犬などではよくあるのですが、病気で一度寝たきりになったりすると足腰がすっかりと弱ってしまって立てなくなることがあります。

こういったことを防ぐには入院中から起立・歩行のリハビリをおこなうことが重要です。

今回のネコちゃんも体調が少し落ち着いたところですぐにリハビリを開始。
退院後も自宅でのリハビリを続けていただきました。

結果・・・
退院後数日でふらつきながらも歩けるようになり、1週間後にはご飯もよく食べてくれるようになりました

その後、日ごとに元気を取り戻し、術後一カ月過ぎるころには手術前には栄養不良でバサバサだった毛並みがすっかりと良くなり、1?2歳若返ったみたいに元気になってくれました。
飼い主様にも「毛艶が見違えるようによくなった」ととても喜んでいただけました

やはり手術前の口の痛みはかなりひどかったようで、手術でガンのひどい部分や、歯周病を治療したことですっかり痛みが治まり、食欲が戻ってきたようです。

足取りもすっかり元通りで、飼い主様にも、
「手術直後は無理して手術をしないほうがよかったかもしれないと悩んだり、後悔したけれども、今は頑張って手術うけてよかったと思う」とおっしゃっていただくことができました。

このお言葉をいただいて、私も「ずいぶんとご心配をおかけしてしまったけれど、最終的にご満足いただけてなにより」と本当にうれしく思ったものです
そういえば、元気になってからのお写真を撮らせていただくのを忘れていました・・・

ただ、このネコちゃんのガンは治ったわけではありません。
ガンにひどく侵された部分を切除したことで一時的に症状は治まっていますが、ガンはとりきれたわけではありません。
昨日記載したように、あごの骨を切除するような手術をしない限り(場合によってはそれでも手遅れかもしれません)、残っているガン組織がまた増殖して同じ症状を引き起こすのです。

ですが、このネコちゃんにこれ以上の手術は負担が大きすぎるため、飼い主様とご相談させていただいた結果、これ以上は積極的な治療(手術や抗がん剤、放射線治療といった)はおこなわず、緩和療法(現在の痛みなどの症状をおさえて、うまくガンと付き合っていく治療)をおこなっていくことになりました。

現在、手術から2カ月がたちましたが、あごが少し腫れて、よだれが出たりするものの、痛みはなく、よくご飯も食べてくれているようです

つらい手術に頑張って耐えてくれたネコちゃんと、不安な中、私を信頼して通院を続けてくださった飼い主様のためにも、うまく今の状態を維持できるように頑張らなければいけませんね