町田市 谷口動物病院 犬猫専門の病院です
  • 07«
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5
  • 6
  • 7
  • 8
  • 9
  • 10
  • 11
  • 12
  • 13
  • 14
  • 15
  • 16
  • 17
  • 18
  • 19
  • 20
  • 21
  • 22
  • 23
  • 24
  • 25
  • 26
  • 27
  • 28
  • 29
  • 30
  • 31
  • »09
のどにつまった!! (3)
2009年12月04日 (金) | 編集 |
3回に分けてと長かった「のどにつまった!!」ですが、今回で最後になります。

さて、内視鏡での検査・処置のために矢敷動物病院(以前の勤務先)へ。

到着後、すぐに点滴をつなぎ血液検査をおこないます。

内視鏡をおこなうにも全身麻酔が必要ですので、まずは「麻酔をかけても大丈夫か?」を確認する検査が必要になります。

矢敷動物病院も診療時間は終わっていましたので、矢敷院長とベテランのYK先生とRK先生が残ってくださっていました。
YK先生、RK先生とは勤務医時代の7年間一緒にチームを組んでいましたので、1年ぶりに3人で治療チームを再結成!
一人ですべて判断して治療を進めていくのもやりがいがありますが、チーム一丸となって一つの症例に立ち向かうのもやっぱりいいものです。

そんなこんなで検査も終わり、内視鏡の準備も整ったところで最終チェック!
触診で喉を確認すると・・・

「・・・?・・・異物流れたかも・・・」
さっきまで触れていた食道内の異物が触れません。

この場合、二つのことが考えられます。
一つは幸運にも胃まで飲み込めた可能性。
もう一つは、首のところは通過したが、心臓のところで再び引っかかっている可能性。

実は食道内で一番異物が詰まりやすいのは心臓付近だとも言われています。

そこで、ふたたびレントゲンを撮って確認してみると・・・

閉塞解除後

上が異物が流れた後のレントゲンです。下と比べると首の付けねの「もやもや」が無くなっているのがよくわかると思います。
心臓の付近にも引っかかっている様子はありません。
このレントゲンには映っていませんが、あとで腹部のレントゲンをとると、胃内に異物と思われる影が確認されました。

幸運にも時間がたってふやけた異物が食道を通過したようです。
また、点滴をつないだ時点で食道の炎症を抑える消炎剤を投与したので、それによって食道の腫れが軽減されたこともプラスに働いたのかもしれません。

というわけで、幸運にも麻酔をかけることなく、内視鏡を使用することなく問題が解決してくれました。
ですが、これでもう大丈夫というわけではありません。

ワンちゃんが異物(オヤツ)を飲んでからおよそ2時間半が経過していました。
この間、食道の血行障害がどの程度だったのか?
血行障害の程度によっては翌日以降になって障害が出ることも考えられます。
また、オヤツは胃内へ移動しましたが、それが十分に消化されないまま腸で詰まる可能性もゼロではありません。

そのため、念のため一晩の入院と、数日の慎重な経過観察とさせていただきました。

今回、結果的には「もう少し様子を見てみる」でも問題のなかった症例ではありますが、それは結果論であって、食道内異物が緊急疾患であることには変わりありません。

こういった事故は飼い主様の管理・工夫次第で防げるものがほとんどです。
ぜひ、一度、オヤツやオモチャの与え方を見直していただければと思います。

ところで、食道内異物について調べ物をしている中で、大学病院の症例報告で興味深い症例を見つけました。

左前足の動きがおかしいという症例で、様々な検査でも原因が分からず、CT撮影をおこなったところ、左側の首の付け根に腫瘤(しゅりゅう:できもの)が見つかった。

手術で腫瘤(しゅりゅう:できもの)を切除してみると、なんと中から鉛筆が出てきたとのこと。
つまり、ワンちゃんが飲み込んだ鉛筆が食道を突き破り、首のところで炎症を起こし、結果的にそれが腫瘤になったということでした。それが痛くて左足の動きがおかしかったようです。

この子は幸いにも命にかかわることはなかったそうですが、これがもし心臓の部分で鉛筆が突き抜けていたら・・・