町田市 谷口動物病院 犬猫専門の病院です
破歯細胞性吸収病巣(FORLs)
2009年11月09日 (月) | 編集 |
先日おこなったネコちゃんの歯周病治療の写真です。

右上顎1

上あごの臼歯(奥歯)なのですが、ゴッテリと歯石が付着し、本来の歯がまったく見えません

この歯石を取り除くと・・・

右上顎2

歯が出てきました
でも・・・何かおかしい・・・

よく見ると歯の根元のほうが溶けてなくなっています
赤く見えるのは炎症を起こした歯ぐきです。

破歯細胞性吸収病巣(FORLs)といわれる状態です。

ネコちゃんに見られる原因不明の歯周病で、破歯細胞(はしさいぼう)と呼ばれる細胞が歯を融解して吸収してしまいます。

この破歯細胞性吸収病巣は結構よく見られる歯周病です。
むしろ、歯周病治療をおこなうネコちゃんでこれがまったくないほうが珍しいかもしれません。

抜歯治療が基本なのですが、こいつがなかなか厄介です。
御覧の通り歯が溶けて脆くなっているので、普通に抜歯しようとすると歯が砕けてしまって、根っこだけが残ってしまいます。

この根っこを残すとあとでエライ目にあうことがあります
とり残した根っこのところで酷い口内炎がおこることがあるのです。
この口内炎は根っこが残っている限り治らないことがほとんどです。

なので、根っこを取り残さないために、歯ぐきの肉を切り開き、顎の骨をドリルで削って根っこを掘り出す作業が必要になります。
もはや歯科処置ではなく外科手術の領域なのであります。

こういった歯石の付着が多く、歯の状態が事前に確認できない症例の歯科治療は大変です。
今回も歯石クリーニングのみの予定でしたが、結局顎の骨を削ることになりました。(ほかの奥歯も同様だったので、計4か所でした)

左上顎2
左上の奥歯。吸収が始まっています。

ま、そうなるだろうと思って日曜日の午後に手術を入れていたんですけどね