町田市 谷口動物病院 犬猫専門の病院です
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皮膚病治療
2009年06月25日 (木) | 編集 |
皮膚炎治療

皮膚病で通っていただいているワンちゃんです。

左側がおよそ3か月前の写真です。
右がつい先日の写真です。

ちょっとピンボケしていますが、左に比べるとかなり赤みがひいて毛がはえてきているのがわかると思うのですが。

この症例は当院にいらっしゃるまで、ステロイド(抗炎症作用・かゆみ止め)と抗生物質を中心とした治療を長く続けられていたそうです。
皮膚は過剰な皮脂でべとべとになり、慢性的な皮膚炎のせいで分厚く変化してしまい、毛もすっかり薄くなってしまっていました。

ここまで皮膚自体の構造が変化してしまうと、なかなか一朝一夕には改善しません。
飼主様には治療には数か月を要することと、完全に元通りの皮膚を取り戻すのはほぼ不可能であることをお伝えして治療を始めました。

この症例の皮膚の状態は、まず過剰な皮脂の分泌が一番の問題であると考えました。

シーズー犬はもともと脂性の子が多いのですが、この過剰に分泌される皮脂は時間がたつと酸化して、皮膚に対して刺激を与えるようになります。

そうするとかゆみや皮膚炎が生じて、それを自分で引っ掻いたりするうちにますますひどくする。
また、古くなった皮脂は細菌やカビが繁殖する格好の土壌になります。

こういった症例ではステロイドや抗生剤で強引に症状を抑えようとしてもあまり上手くいかないことが多いです。
それよりも、まずシャンプーで皮脂をしっかりと落としてあげることが大切だと考えます。

この時点で、かなり長期にわたってステロイドを投与している状態だったので、まずステロイドを少しずつ減らすことから始めました。(ステロイドを急激にやめると、かえって副作用が強く出てしまいます)

ステロイドは炎症を押さえたり、かゆみを抑える作用が強く、皮膚炎にはとても有効なお薬ですが、あまり長期間使い続けると副作用の心配が出てきます。
また、この症例のように過剰な皮脂が問題となっているケースでは、ステロイドを使っても根本的な解決にはなりません。

この症例は1?2か月かけて少しずつステロイドを減薬していき、抗生物質も止めていきました。
その間に、保湿シャンプーでの頻繁なシャンプーとサプリメントでの皮膚コンディションの改善に努めました。(このあたりは以前詳しくご説明しております

現在は完全に抗生剤・ステロイドは止めて、シャンプー(可能なら毎日)とサプリメントのみでこの状態を維持しています。
もちろん、多少のかゆみはあります。

こういった症例でかゆみを全くゼロにするのはかなり困難です。
ただ、少しかゆくても日常生活に支障がなく、お薬を使わずにこの状態が維持できれば、100点満点ではないですが、80点くらいの治療効果ではないでしょうか?

ただ、この治療効果の一番の功労者は毎日のようにお風呂に入れてくださっている飼い主様です。
飼主様の努力がなければ、これだけの結果は出なかったでしょう。

皮膚病治療は的確な診断治療だけでは最大の結果は出ません。
いかに自宅で飼主様が皮膚管理に気を使われるかが重要になってきます。