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町田市 谷口動物病院 犬猫専門の病院です
口腔鼻腔瘻(こうくうびくうろう)
2018年02月05日 (月) | 編集 |
先日、歯科処置を行ったワンちゃん。


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全体的に重度の歯石付着と、歯周病を患っております。


特に、両上顎の犬歯の状態が思わしくありません。




このように、犬歯の歯根部を洗浄すると・・・


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銀色の管が洗浄管。赤く出血しているように見えるのは、血液の混ざった洗浄液です。



洗浄液が鼻の穴から出てきます・・・



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これは、口腔鼻腔瘻(こうくうびくうろう)という状態です。


犬歯歯根部の歯槽膿漏が進行し、歯根部周辺の骨組織が壊死し鼻の穴まで貫通してしまっているのです。



こちらは左上の犬歯の様子。


歯肉が壊死して欠損してしまっています。


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犬歯の歯根はとても太く、上顎骨奥まで深く入り込んでいるので、無理やり抜歯しようとすると、周辺の組織に大きなダメージを与える可能性があります。


そのため、歯肉を切開し、あらかじめ歯根を支える骨組織の一部を切削しておきます。


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あらかじめ骨を削り、力の逃げ場を作っておくことで、内側の重要な組織へのダメージを避けるためです。



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抜歯をした後の様子ですが・・・矢印で示した部分が「口腔鼻腔瘻(こうくうびくうろう)」です。



犬歯歯根部に生じた重度の歯周病によって、鼻腔周辺の組織が壊死し、穴が開いてしまったのです。
この穴は鼻の穴につながっています。



壊死した組織は綺麗に洗浄してから縫合します。


といっても、歯肉組織が壊死してしまっているので、そのまま傷口を縫って塞ぐことはできません。


頬の内側の粘膜を移植するような形で傷口を塞がなければなりません。



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これでずいぶんとお口の中がすっきりとしたはずです。



町田市 谷口動物病院