町田市 谷口動物病院 犬猫専門の病院です
  • 10«
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5
  • 6
  • 7
  • 8
  • 9
  • 10
  • 11
  • 12
  • 13
  • 14
  • 15
  • 16
  • 17
  • 18
  • 19
  • 20
  • 21
  • 22
  • 23
  • 24
  • 25
  • 26
  • 27
  • 28
  • 29
  • 30
  • »12
僧帽弁閉鎖不全症の経過
2017年04月10日 (月) | 編集 |
当院が力を入れている診療の一つに、ワンちゃん・ネコちゃんの循環器疾患がございます。


その中でも、特に診療件数が多いのが、小型犬の「僧帽弁閉鎖不全症」です。


高齢期の小型犬の20~30%程度が罹患するともいわれるほど多い心臓病です。


心臓内の血流をコントロールする役割を持った僧帽弁が、加齢とともに変形・閉鎖不全を起こす病気であります。


弁の閉鎖不全によって、心臓内の血流に逆流が生じ、心臓機能不全に陥ってしまいます。


症状は逆流の程度によって無症状から突然死まで様々ですが、その病状を正確に把握するには超音波検査が重要な役割を果たします。




20170410tah01.jpg
僧帽弁閉鎖不全症で治療中のワンちゃんの超音波画像
eV=左室流入血流波形


超音波検査では、心臓内部の構造や血流など様々なポイントをチェックするのですが、その中でも心不全の状態を把握するのに重要なのが左室流入血流波形(E波)と呼ばれる波形の検査。


このE波は正常であれば1.0m/sec前後であります。この数値が高くなれば高くなるほど、心臓の負担が大きくなっていることを示しています。



写真の症例では、2月の時点ではE波は0.98m/secと正常値でしたが、3月頃になって急に元気・食欲が低下したということで来院された際には1.70m/secとかなり数値が上昇しています。


一般に、E波は1.20m/secを超えると肺水腫(心不全症状の一つ)を起こす危険性が増してくるといわれています。


実際にこの症例も肺水腫を起こしていました。




20170410tah02.jpg
左が肺水腫を起こした胸のレントゲン。
肺全体、特に〇で囲んだ部分が白く曇りガラス状になっています。



この症例では、すでに肺水腫に陥った状態でしたが、こまめに超音波検査を行っていれば、E波の数値から肺水腫の危険性を早期に診断し、重篤な症状に陥る前に対策することも可能です。