町田市 谷口動物病院 犬猫専門の病院です
椎間板ヘルニアを疑った症例
2017年01月10日 (火) | 編集 |
昨年末に、突然の腰痛を主訴に来院したワンちゃんのレントゲン写真です。



初診日には触診で腰のあたりに痛みを訴える様子があるものの、レントゲンで明らかな異常が無い為、鎮痛剤の投与で経過観察することとなったのですが・・・



翌日に症状が悪化したために再検査を行いました。



20170110tah01.jpg
上の画像が初診日
下の画像が翌日のレントゲン



上の初診日の画像では、第4腰椎と第5腰椎の間の椎間板に石灰化が認められたものの、それ以外に大きな異常はありませんでした。
(椎間板の石灰化は老犬や、一部の犬種で日常的に見られる現象。正常な状態ではありませんが、必ずしも疾患と結び付くわけではありません。)



それが、翌日のレントゲンを見てみると・・・


第4腰椎と第5腰椎の間にあった石灰化病変が消失し、さらには前後の椎間にくらべて第4・第5腰椎椎間が狭窄を起こしています。



これは、椎間板ヘルニアを疑う所見です。



椎間板ヘルニアと言うのは、脊椎骨の間でクッションの役割を果たしている椎間板が脊髄神経側に飛び出して神経を圧迫し、痛みや麻痺などの症状を起こす疾患です。



石灰化した椎間板が消失して見えるのは、椎間板が本当に消えてなくなったわけではなく、脊髄神経側に飛び出したためにレントゲン上で写りにくくなっているためと考えられます。(下図参照)




20170110tah02.jpg




確定診断にはMRI検査やCT検査が必要になりますが、今回の症例では痛みだけでなく後肢の神経症状も発現していた為、ほぼ間違いないでしょう。




椎間板ヘルニアは重症例では下半身麻痺を起すこともあり、手術が必要になることもありますが、軽症例では2~3週間から1か月程度の安静と消炎鎮痛剤の投与で十分です。



今回の症例も、幸いこれ以上悪化することなく回復してくれました。