町田市 谷口動物病院 犬猫専門の病院です
  • 07«
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5
  • 6
  • 7
  • 8
  • 9
  • 10
  • 11
  • 12
  • 13
  • 14
  • 15
  • 16
  • 17
  • 18
  • 19
  • 20
  • 21
  • 22
  • 23
  • 24
  • 25
  • 26
  • 27
  • 28
  • 29
  • 30
  • 31
  • »09
会陰ヘルニア
2016年07月18日 (月) | 編集 |
中高齢の♂犬(未去勢)。

特にミニチュアダックスやコーギー犬等に多い病気に、「会陰ヘルニア(えいんへるにあ)」という病気があります。


肛門周辺の骨盤部筋群が虚弱化しまう病気で、未去勢の♂犬に多く発生することから、男性ホルモンの関与が疑われていますが、正確な原因は良く解っていません。


骨盤部の筋群が虚弱化することで、直腸周辺を支持する構造が弱体化し、脱腸を起こします。


20160716tah01.jpg


20160716tah02.jpg
肛門周辺の支持筋群が虚弱化し、腹腔内の臓器が会陰部に脱出してしまう。



正常犬のレントゲン
20160716tah03.jpg




会陰ヘルニア症例のレントゲン
20160716tah04.jpg
腹腔内臓器が臀部に脱出している様子が良く解ります。




これを治療するには外科手術を行うしかありません。



術式には、単純に虚弱化した筋群を縫合する方法や、周辺筋膜を剥離・移転して虚弱部を塞ぐ方法、シリコンプレートを使用して虚弱化した部分を塞ぐ方法など色々な術式がございますが・・・



ただ、いずれの術式でも再発率は20~30%程度と高く、また、障害部位の性格上、術後の感染症も問題になりやすく、なかなか治療に苦慮する病気であります。



今回は、腹腔内で直腸や膀胱を固定し、腹腔内臓器の脱出を防ぎつつ、弱体化した筋群を縫合補強する術式を行いました。




20160716tah06.jpg




20160716tah05.jpg



1.直腸固定
2.膀胱固定
3.両側会陰部筋群の補強縫合

と3つの術式を組み合わせる方法で、手術時間が長くなってしまいますが、再発率は低く、症状の改善率も高いといわれています。




上述したように、この病気の正確な原因はわかっていませんが、ほとんどの症例が未去勢の♂犬であることから、若いうちに去勢手術をしておくことで防ぐことができると考えられます。



もちろん、すべての去勢していないワンちゃんが会陰ヘルニアを発症するわけではありませんが・・・


一度発症してしまうとなかなかやっかいな病気です。


繁殖の目的が無いワンちゃんであれば、早めの去勢手術を行っておくほうが安心でしょうね。