町田市 谷口動物病院 犬猫専門の病院です
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心膜液の貯留(心タンポナーデ)
2016年07月08日 (金) | 編集 |
ワンちゃんの突然死の原因の一つに、「心膜液貯留(心タンポナーデ)」という病気があります。



心臓の周囲は、「心膜」という薄い線維性の膜で覆われているのですが、その膜と心臓の間には「心膜腔」と呼ばれるわずかな隙間があります。


「心膜腔」にはごく微量の「心膜液」が貯留しており、「心膜」に包まれた心臓がスムーズに動くための潤滑油のような役割を果たしています。



この「心膜液」が過剰に貯留するのが「心膜液の貯留」であり、

過剰に貯留した心膜液によって心臓が圧迫され、正常なポンプ機能を果たすことが出来なくなった状態を「心タンポナーデ」と呼ぶのです。



心臓のポンプ機能が障害されるので、重度の場合は死にいたるのです。



「心膜液」が過剰に貯留する原因は様々。



「心不全」が原因になる場合もあれば、「心臓腫瘍」が原因になる場合もあります。


また、「特発性出血性心膜液貯留」といって、原因不明の出血性の心膜液貯留もございます。



20160707tah01.jpg
心膜液が貯留し、心タンポナーデを起こした症例の超音波画像。
黄色点線で示した部分が「心膜」。心膜と心臓の間に出血性と思われる液体貯留がみられます。
「特発性出血性」もしくは「腫瘍」を疑う症例です。





「心タンポナーデ」の症例では、出来る限り早く「心膜穿刺」を実施し、貯留した「心膜液」を除去し、心臓の圧迫を解除しなければなりません。



「心膜穿刺」とは、名前の通り、針を刺して貯留した「心膜液」を吸引除去する処置です。



超音波画像を確認しながら、注射針を肋骨の隙間から挿入し、心膜液を吸引します。




20160707tah02.jpg
右側のお皿に入っているのが貯留していた心膜液。
ビーカーに入っているのは胸水です。貯留した心膜液に心臓が圧迫され循環不全が生じたために、胸水が貯留していました。





「心膜液貯留」は、抜いて終了と言うわけではありません。



「なぜ溜まってしまったのか?」という原因を見つけて、それに対しての治療を行わなければ、いずれまた再発する可能性が高いのであります。