町田市 谷口動物病院 犬猫専門の病院です
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指先の腫瘍
2015年07月17日 (金) | 編集 |
指先に「できもの」ができてしまったネコちゃんです。





20150717tah01 (2)




右前足の薬指、爪のすぐ横のところにプックリと「できもの」できています。




このように、皮膚にしこりが出来た場合は、まず針を刺して内部の細胞を採取する「針生検」という検査をおこないます。



針をさすといっても、通常のワクチン接種の際などに使う針と同じくらいの太さの針なので、特に麻酔なども必要とせず、簡単にできる検査であります。



もちろん、針で細胞を少量取り出して調べるだけなので、確定診断はできませんが、「早めに手術で摘出したほうが良いのか?」、それとも「もう少し様子を見ることができるのか?」 を、大まかに判断することができます。



そうして採取した細胞がこちら。


20150717tah01.jpg



赤紫の顆粒をたくさん含んだ細胞が採取されました。



「肥満細胞」という細胞です。



「肥満細胞」自体は、特別な細胞ではなく、皮膚の炎症部分などにも出現することのある細胞ですが、このように多数観察されるのは異常です。



これは、「肥満細胞腫」を疑う所見です。




「肥満細胞腫」は皮膚にできる腫瘍としては一般的で、ワンちゃんでは悪性であることが多く、注意が必要です。



一方ネコちゃんでは、比較的良性で、手術で摘出すれば完治することがほとんど。



とはいえ、今回は出来た場所が厄介です。




腫瘍を切除する場合、なるべく正常な皮膚を含めて切除するようにします。



腫瘍細胞の取り残しを防ぐためです。



ですが、今回のように指先に出来てしまうと、正常部分を含めて切除することが難しくなります。




20150717tah02.jpg



こういったケースでは、指の切断が必要になることもあるのです。
※中途半端な切除では、再発を繰り返すため。



また、指先と言うのは、どうしても歩行の衝撃や、トイレの砂を掘り起こすなど、日常的に刺激が加わりやすい部分であるため、傷の治りも悪くなりやすく、なかなか厄介な部分であります。



ワンちゃんやネコちゃんの皮膚と言うのは、背中や肩、太ももなどであれば、皮膚が良く伸びるので大きめの腫瘍でもゆとりを持って切除することができるのですが、足先、指先や、顔周りなど皮膚を引っ張っても伸びにくいような部分は、切除が困難になることがほとんどです。



そういった部分にしこりを見つけた場合は、あまり様子を見ずに、早め早めに獣医師にご相談いただくことをお勧めいたします。