町田市 谷口動物病院 犬猫専門の病院です
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肝リピドーシス
2015年06月06日 (土) | 編集 |
猫の「肝リピドーシス」



耳慣れない言葉かと思います。


どういう病気かと言うと、「肝細胞内に重度に脂質が蓄積してしまう」ことで発症する病気。



「なんだ、脂肪肝か・・・」と思うかもしれませんが、ネコちゃんの「肝リピドーシス」は非常に危険な状態であります。
※人間の脂肪肝も肝硬変などに進行する恐れがあるそうなので、気軽に考えてはいけないようです。



肝細胞内に脂質が蓄積すると、肝臓の機能障害や、胆汁(消化液の一種)の停滞が起こり、急速に状態が悪化していきます。


最悪の場合、命にかかわることも少なくない病気です。



20150606tah01 (2)
左側が肝リピドーシスに陥った肝臓。
正常な肝臓は、脾臓(右側に写っている小さな△部分)よりも黒っぽく写るはずなのですが、この症例では肝細胞内に脂肪が蓄積したため、白っぽく写っています。




猫の「肝リピドーシス」は、まず初めに何らかの病気や環境変化などがあり、ネコちゃんが食欲不振に陥るところから始まります。



ネコちゃんが食欲不振に陥ると、栄養不足に陥ります。そうすると、体は体内に貯蔵された脂肪を分解しエネルギーを得ようとしますが、それが急速・大量に起きると、肝臓の処理能力を超えた脂肪が肝細胞内に蓄積することになり、それによって急激な肝障害が発生します。



これは、もともと太っていたネコちゃんに起きやすい病気で、たとえばお引越しをして環境が変わったことで、数日間食欲不振になっただけでも発症してしまうことがあります。



治療の基本は、肝臓保護治療を行いつつ、しっかりとした栄養補給を行うこと。


きちんとした栄養補給を行えば、脂肪を分解する必要が無くなるため、自然と肝細胞内の脂肪貯留も解消されていきます。


初期段階の「肝リピドーシス」であれば、点滴治療と栄養補給で改善しますが、重度の場合は治療に数カ月かかったり、治療しても助からないことも少なくありません。



ネコちゃんは人間やワンちゃんと違い、完全な肉食動物であるため、このように食生活や代謝能力に係わった独特の病気が少なくありません。



身近な動物ではありますが、根本的な体のメカニズムが異なることを良く理解したうえで飼育をしていくことが大切です。