町田市 谷口動物病院 犬猫専門の病院です
消化管内異物 布状の異物?
2015年04月27日 (月) | 編集 |
消化管内異物の症例です。



急性の嘔吐と食欲不振、元気消失を主訴にご来院いただいたワンちゃんです。



こちらのわんちゃんは、普段からイタズラしていろんなものを食べてしまう癖があります。


飼い主様も色々と対策はされているのですが、お仕事の都合でどうしてもお留守番をする時間が長いので、その間に思いもよらない物をかじって食べてしまうことがあるそうです。



20150427tah01.jpg
黄色○で囲んだ部分が、造影剤で描出された異物。
布状の異物を疑います。右半分は、腸内に流れた造影剤で正常所見です。


さて、そんな経歴のあるワンちゃんですから、消化管内異物を疑ってレントゲン撮影です。


レントゲンと言っても、布やプラスチック、スポンジなど家庭用品のほとんどは、レントゲンにハッキリ写ることはありませんので、「造影剤(バリウムみたいなもの)」を使用して検査をします。



そうすると、胃の中にモヤモヤと造影剤が絡まった異物が確認されました。


おそらく布状の異物でしょう。そこにしみ込んだ造影剤がモヤモヤと写っているものと思われます。



緊急手術で胃を開けてみると・・・



20150427tah02.jpg



やはり、黒く変色した布らしきものが出てきました。




20150427tah03.jpg



ずるずるとかなりの量が出てきました。


消化管内異物の摘出で大切なのは、胃の中の物をとりだしたからと言って安心しないこと。


異物は胃の中だけとは限りません。


消化管全体をしっかりと調べて、他の場所にも詰まっていないかを確認しなければなりません。



人間と違って、自分で何をどれだけ食べたかワンちゃんは自己申告してくれるわけではありませんから、慎重な確認が必要なのであります。



これを怠ったがために、数日後に再手術になってしまったという笑えない話も実際にあるのです。
※もちろん、私はそんな失敗はしたことありませんよ!


20150427tah04.jpg



確認してみると、やはり十二指腸の途中にも異物が詰まっていました。



これも摘出です。


20150427tah05.jpg




胃と腸を合わせて、これだけの布状異物が摘出されました。



20150427tah06.jpg
左が十二指腸内の異物。
右が胃内の異物。



昔と違い、家庭内で飼われている今時のワンちゃんでは、思わぬものを飲み込んでしまい、このように手術になってしまうことが少なくありません。



命にかかわることですから、普段からどうぞご注意くださいませ。