町田市 谷口動物病院 犬猫専門の病院です
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フィラリア感染
2015年04月07日 (火) | 編集 |
4月に入り、狂犬病ワクチン接種のシーズンになりました。



この後は、すぐにフィラリア予防が始まります。


御存じの方も多いと思いますが、フィラリアはワンちゃんの心臓に寄生する寄生虫で、蚊が中間宿主として媒介し、感染を広めていく病気です。


心臓の中に虫が寄生するため、心臓の動きに支障が生じたり、肺血管が詰まったりすることで、心臓病と同じような症状が現れます。


20150407tah03.jpg
肺動脈内に寄生したフィラリア。赤丸で囲った中の、白い線状の物がフィラリア虫体




今日では、ペットとして飼育されているワンちゃんの間では予防が進んでいるため、病院で診察することもすっかり無くなりましたが・・・



フィラリアは、ワンちゃんだけでなくキツネやタヌキと言ったイヌ科動物であれば感染し繁殖することができますので・・・




病院に連れてこられるようなペットのワンちゃん達でフィラリアの寄生がみられなくなったとしても、町田周辺の野山にいるような野生のタヌキの間では感染が維持されています



ですので、保護施設に保護されるようなワンちゃんの間では、今でも寄生が確認されることも少なくありません。




したがって、ペットとして飼われているワンちゃんでも、予防薬の投与を怠れば、フィラリアに感染してしまう危険は十分にあるのです。



「でも、フィラリアに寄生されても、治療法があるって聞いたけど? だったら、何も毎月予防薬飲む必要なんかなくて、感染した時に治療すればいいんじゃないの?」




なんてことを考える方もいらっしゃるかも知れません・・・


ですが、これは大間違い!



確かに、フィラリアが心臓に寄生した場合の治療法はございます。



一つは、首の静脈からカテーテルを心臓内に挿入して、物理的にフィラリア虫体を取り除く方法。



寄生数が多く、心不全症状が重度の場合に緊急で行う手術でありますが、心臓内を傷つけたり、重要な血管を傷つける危険性もあります。




もう一つの治療法は、メラルソルミンという駆虫薬を投与する方法。



ただし、この方法で駆虫された虫体は、そのまま肺血管に押し流され、その部分で詰まってしまいます。





そうなんです。フィラリアは、確かに駆虫薬で駆除することができるんですが、死んだ虫はそのまま肺血管に詰まってしまい、肺にダメージを及ぼすのです。(肺血管塞栓症)





そして、肺血管塞栓のダメージが大きい場合は、呼吸困難から死へと至る危険な治療なのであります。




死に至るほどではなかったとしても、フィラリア感染によって障害された肺血管は、完全に元通りになることはありません。





何らかのダメージが障害残ってしまうのです。



フィラリアの寄生数が少なければ、そのダメージも最小限で済みますが、寄生数が多い場合は治療後も生活に支障が出るような場合もあるのです。



こういったことを御理解いただけると、「フィラリアはとにかく予防が大切」ということがお解りいただけると思います。