町田市 谷口動物病院 犬猫専門の病院です
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薬だけにたよらずに・・・
2009年05月17日 (日) | 編集 |
これからの季節、ワンちゃんは皮膚のトラブルで悩むことが多くなってきます。

以前にも書きましたが、ワンちゃんの皮膚病のほとんどはその皮膚のコンディション・体質が重要な要因となっています。

極端な言い方ですが、皮膚病になる子は、ほぼすべて体質・皮膚コンディションに問題があると思って治療をする必要があります。

そこを理解して治療を進めていかないと、「いつまでも薬漬けでいっこうに改善しない」「いったんはよくなるけど薬をやめるとすぐに悪くなる」ということになってしまいます。

私が皮膚病のワンちゃんを治療するとき、よくこのようにお話しします。

「皮膚の体質が根底にかかわっているので、完治は難しいですよ(ここでいう完治とは一生皮膚症状に悩まされないということ)。日ごろの皮膚のコンディションを整え、体質を改善していくことで、皮膚症状をうまくコントロールしましょう。」

症状が軽い子ならこまめなシャンプーや耳掃除で十分コントロールできますが、何年も皮膚病を患っているような子の場合はそうはいきません。

そこで登場するのがこの三つ

保湿クリーム

こちらは保湿クリーム。
皮膚の保湿と、皮膚組織の修復を助けます。
弱り切った皮膚の修復を促し、保湿力を高めることで、皮膚本来の免疫システムを取り戻す助けになります。
これかなり効きます。

サプリメント

こちらのサプリメントは皮膚に重要なビタミン・ミネラルを含み、また不飽和脂肪酸と言われる成分(DHAやEPAといった成分。人のサプリメントでもよく見かけますね)が皮膚の炎症・かゆみに対して効果を発揮します。

シャンプー

こちらは以前にもご紹介した保湿シャンプーです。


皮膚病の治療をするときに私は二本の柱を重視して治療しています。

まず一本目の柱は抗生物質・抗ヒスタミン剤(かゆみ止め)・ステロイド剤(かゆみ止め・一般的に副作用が問題視される)といった薬剤を使用した初期治療・導入治療にあたる治療です。

これらの薬剤は症状によって数日?数週間(症例によっては数か月)使用していきます。

同時進行でもう一本の柱である体質改善・皮膚コンディション改善の努力を始めます。
症状によってシャンプーだけですむ子もいれば、サプリメントや保湿クリームなど組み合わせて使用することもあります。

つまり、まずはワンちゃんにとってつらい皮膚炎やかゆみを投薬で積極的にコントロールしてあげて、その間にサプリメント・シャンプーなどで皮膚コンディションを改善していきます。
ある程度皮膚の状態が整えば、必要以上の投薬は避けて、徐々に投薬を減らしていき、サプリメント・シャンプー等での皮膚管理のみに移行していきます。

ただ、季節・体調によってはまた皮膚症状が悪化することがありますので、そのようなときは一時的に投薬を再開することでコントロールしていきます。

この投薬と体質改善の両方を意識しないで治療するとどうなるでしょう?

たとえば投薬のみで治療したとします。
投薬で炎症やかゆみが鎮まったとしても、皮膚自体のコンディションが悪いままでは投薬をやめた途端に症状が再発してしまい、いつまでも薬を切れなくなってしまいます。

または、サプリメントやシャンプーだけで治療したとします。
サプリメントやシャンプーなどの効果が出るまでには時間がかかります。その間はワンちゃんはかゆみや炎症に苦しむことになります。また、かゆみのせいで皮膚を掻いたりなめたりするので、皮膚のコンディションはなかなか改善されません。
そもそも感染症を伴うようなひどい皮膚炎の場合は、抗生剤を使用しないとどうにもなりません。

それぞれメリット・デメリットを把握し、症例ごとの症状・コンディションを考慮して、上手に投薬とサプリメント・シャンプーなどを組み合わせて治療していくことが重要だと考えています。